黄色6 ページ6
「…何だろ、これ」
帰り、部活に無所属の私は、無所属仲間の友達と「サッサと帰ろう」なんて話しながら下駄箱を開いた。
そこには、ノートの切れ端を手でちぎった様な紙切れが入っていた。
「？、なにそれ」
「…良くわかんないけど…手紙？」
私の手元に気が付いたのか、靴を出す作業を一時中断させ、紙切れについて尋ねてきた。
その紙切れは二つ折りにしてあり、直ぐに開くことが出来るものだった。
「…【体 育 館 裏 に 来 て 下 さ い】って」
一文字一文字を丁寧に読み上げると、突然友達が隣で「きゃー！」と黄色い声を上げた。
「これ！絶対告白だって！」
「え、果し状かもよ？」
「こんな震えた字で果し状書く奴居ないって！」
確かに、一見綺麗なその文字は、所々震えていて、緊張しながら書いたのが分かった。
大方、授業中にバレないよう、何回も練習してやっと書いたんだろう。
隣で友達は、茶化す様に「彼かもよ！」なんて言った。
でも私は、この手紙が気持ち悪くて仕方なかった。
何で手紙一つでこんなに緊張するんだろ、何で名前を書かないんだろ。
…何でこんな、本気で好きな人を呼び出すんだろ。
気味が悪い。吐き気がする。
中学三年生の私は、そう思う程、気が動転していた。
でもそんなの、表に出せるはずも無く、友達に背中を押されながら、体育館裏にやって来た。
「…誰も居ないよ」
「良いからさっさと行きなよ！」
友達は私を体育館裏にポツンと1人の立たせると、そのまま立ち去っていった。
…帰ったな、この野郎。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 606人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 文さん» 初めまして！最初は赤い糸設定だったのですが、レトルトさんは黄色だろうと思いまして！有難う御座います！ゆっくりですが頑張ります！ (2016年5月12日 21時) (
レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
文 - はじめまして!(>_<)ちゃんとした赤い糸じゃないってところが、面白いです!更新頑張ってくださいね_(._.)_ (2016年5月12日 12時) (レス) id: db765d8c7c (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - ラファエルさん» そう一言言って貰えることが、とても嬉しいですっ…！ありがとうございます！これからも頑張って行きます！本当にありがとうございます！ (2015年9月13日 20時) (レス) id: d9cfdec569 (このIDを非表示/違反報告)
ラファエル(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！(*^^*) (2015年9月13日 20時) (レス) id: 3728fc286e (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 駿さん» はい！後々、キヨさんも出て来る…筈です！どんどん進展出来るよう、更新も頑張らないとですね！ありがとうございます！ (2015年9月1日 6時) (レス) id: ea2c547e98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
