黄色34 ページ34
「あっついッ!」
そう叫んでレトくんは、先程まで二人で包まっていた毛布を、ベッドに投げ捨てた。
あの後、テレビゲームを始めたのだが、部屋が温まって来たのと、本気でやり過ぎたのか、体が火照ってきたのだ。
そう思うと、レトくんの行動は正解に等しい。
「あーあ、Aちゃん、リズムゲーム以外は本当得意やね」
「リズムゲームも得意だよ」
「…あれを得意と言うのなら、何を苦手と言うんだ」
真顔でレトくんは、そう言ってきた。真顔で。
確かに、リズムゲームに関しては、レトくんに完敗だけど、そこまで言わなくなって良いじゃないか。
「なーんか、ゲームも一通りやったしなあ」
「…こんなゲームだけの悲しいイブは初めてだよ」
「うるさいよ、Aちゃん」
レトくんとの会話に、思わず頰が緩んだ。
しかし、先程から私の視界に入って来るのは、あの黄色い糸ばかりで。
「…レトくんって好きな人居るの?」
「ファッ!?」
突然の質問に、レトくんは目を見開きながら、そんな声を上げた。
でも私は、小指の糸が繋がっているレトくんの好きな人がどうも気になって仕方なかった。
するとレトくんは、私の真剣な表情に何を思ったのか、素直に話した。
「…多分、居らんよ」
「えっ、居ないの?」
予想外の返答に、思わず聞き返した。私じゃ無いとしても、少なくとも好きな人は居ると思っていた。
「うん。気になってる子は居るけど」
「?、その子が好きなんじゃないの?」
そう尋ねると、「気になってるだけやって」と笑いながら、レトくんは私の言葉を流した。
「そーゆうAちゃんも、好きな子とか居らんの?」
レトくんは、私の話に便乗してか、そう同じ質問を私に、聞き返してきた。
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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 文さん» 初めまして!最初は赤い糸設定だったのですが、レトルトさんは黄色だろうと思いまして!有難う御座います!ゆっくりですが頑張ります! (2016年5月12日 21時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
文 - はじめまして!(>_<)ちゃんとした赤い糸じゃないってところが、面白いです!更新頑張ってくださいね_(._.)_ (2016年5月12日 12時) (レス) id: db765d8c7c (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - ラファエルさん» そう一言言って貰えることが、とても嬉しいですっ…!ありがとうございます!これからも頑張って行きます!本当にありがとうございます! (2015年9月13日 20時) (レス) id: d9cfdec569 (このIDを非表示/違反報告)
ラファエル(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます!(*^^*) (2015年9月13日 20時) (レス) id: 3728fc286e (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 駿さん» はい!後々、キヨさんも出て来る…筈です!どんどん進展出来るよう、更新も頑張らないとですね!ありがとうございます! (2015年9月1日 6時) (レス) id: ea2c547e98 (このIDを非表示/違反報告)
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