黄色33 ページ33
「ベッドだ、レトくんの部屋なのにベッドがある」
ぼふんっと音を立てながら、Aちゃんは俺のベッドに飛び込んだ。
俺の部屋に入ったかと思えば、この有様だ。
「…取り敢えず、俺の部屋にもベッドはある」
「うん、今学んだ」
そう言って布団に顔を埋めるAちゃんを横目に、買った飲み物を置くため、押入れから丸机を引きずり出した。
室内とは言え、部屋を空けていただけあって、外程ではないが寒い。
白い息が、ハッキリとは言わないが、出て来るくらいには寒い。
「エアコンつけるね」
Aちゃんはベッドに潜り込みながら、手元にあったエアコンのスイッチを入れた。
え、この子、俺の部屋来たの初めてよな。
寛ぎ過ぎにも程があるだろ、と思いつつ、俺のベッドに潜り込んで「温かい…」なんて呟いているAちゃんを見ると、無性に自分のベッドだと主張したくなる。
「……俺のベッド…」
俺の小さな呟きを無視して、Aちゃんは今にも寝そうな勢い。
おい、何で此処来たんだ。イブの目的忘れてるだろ。
「おりゃ！」
「うっあ！寒ッ！」
気持ち良さそうに寝掛けていたAちゃん。
誰が寝させるか、の思いで、俺はAちゃんに掛かっていた布団ごと毛布を剥ぎ取った。
「あ、温かい…」
「お、お布団が無いベッドなんて…ただのベッドだ…」
Aちゃんの体温で十分に温まった布団に包まる俺を横目に、よく分からない事を言い始めたAちゃんは、突然の寒さに身震いをした。
流石に俺も、そこまで酷い奴じゃない。
隣に入って来るよう目で言うと、Aちゃんが笑顔で俺の隣に座った。
「やっぱりお布団は平和に分けるべきだね」
「最初からそうしような」
ついでに余談だが、目で隣に来るよう言った時、Aちゃんはコンマ数秒で隣に飛び込んで来ました。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 606人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 文さん» 初めまして！最初は赤い糸設定だったのですが、レトルトさんは黄色だろうと思いまして！有難う御座います！ゆっくりですが頑張ります！ (2016年5月12日 21時) (
レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
文 - はじめまして!(>_<)ちゃんとした赤い糸じゃないってところが、面白いです!更新頑張ってくださいね_(._.)_ (2016年5月12日 12時) (レス) id: db765d8c7c (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - ラファエルさん» そう一言言って貰えることが、とても嬉しいですっ…！ありがとうございます！これからも頑張って行きます！本当にありがとうございます！ (2015年9月13日 20時) (レス) id: d9cfdec569 (このIDを非表示/違反報告)
ラファエル(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！(*^^*) (2015年9月13日 20時) (レス) id: 3728fc286e (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 駿さん» はい！後々、キヨさんも出て来る…筈です！どんどん進展出来るよう、更新も頑張らないとですね！ありがとうございます！ (2015年9月1日 6時) (レス) id: ea2c547e98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
