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とりわけ美人でも不細工でもない顔立ち。平均的な身長。佐倉Aは至って普通の高校生――――
ではなく、一点だけ"この世界の
彼女は異能力者だ。だがしかし、Aの住むこちらの世界に異能力という概念は存在すらしない。
異質な彼女の存在は運命の悪戯か、はたまた――
Aはその理由を知る由もなく。ただ、彼女はこの世界に絶望していた。
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昇降口で下足に履き替える。いざ帰ろうとすると、傘立てに自分の傘がないことに気付く。
「あ、生徒指導おつかれー」
Aと同じクラスの女子が声をかけた。その言葉に、労りの気持ちなど1ミリもない。女生徒の手にはAの傘。
「あなたたちも暇ね。毎度毎度私の携帯いじって楽しいの？」
「何のこと？ ウチらがやった証拠何てないでしょ」
グループのリーダー格がしらばっくれると、仲間がはやし立てた。揃いも揃って短いスカートに、派手な化粧だ。
Aはスマホを操作して、画面を突きつける。
「所有者以外が触った場合、相手の写真が自動記録されるようにしたの。ちゃんと顔が写ってる。あと、傘返して」
「はぁ？この傘、ウチのですけど」
「へぇ、あんたの名前、佐倉Aって言うの？」
傘の柄を指差して、問う。そこにはきちんと書かれたAの氏名。
「傘に名前書くとか小学生かよ」
女生徒達は、持っていた傘を投げ捨てた。パステルカラーの傘が宙を舞い、ビシャンと水溜まりに落ちた。
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毎日手を変え品を変え、いじめは続いていた。最初のきっかけは、小学生の時。髪色が人より明るいのでからかってみた、くらいの些細な理由だった。
怒りで異能力が暴走した一件で、根も葉もない噂が一人歩きし始めた。誹謗中傷に拍車がかかった。
正直、全てどうでもよかった。生きる意味は分からない、かといって死ぬ気概もない。
それでもAが生きていたのは、母親の存在のおかげだった。
Aの母は小説家である。Aは幼い頃父を亡くし、母子家庭で育った。母一人娘一人、裕福ではないが生活に困窮することなく生活してきた。
――あぁ、こんな世界壊れてしまえば良いのにな。
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蒼真 - 終わり...ですと......?続き待ってます。頑張ってください! (2023年3月25日 23時) (
レス) id: c4ce57e384 (このIDを非表示/違反報告)
椛 - 里桜歌さん» あまり関係ない話なのですが、コメ欄を見ていると気になった事で、風刃さんがおっしゃっている絵というのはどこにあるのでしょうか？ (2022年3月28日 8時) (レス) @page3 id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - フランとベルさん» 応援ありがとうございます！更新頻度はゆっくりとなってしまいますが、少しずつ更新していきますね。 (2022年2月7日 5時) (レス) id: 033bbfc38e (このIDを非表示/違反報告)
フランとベル - 面白いです！！リメイク頑張って下さい！応援してます！ (2022年1月17日 2時) (レス) @page7 id: 9f95d8689d (このIDを非表示/違反報告)
里桜歌(プロフ) - 風刃さん» ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです。 (2017年3月11日 23時) (レス) id: 1f70388711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬瀬 | 作成日時：2017年2月19日 23時
