おばあちゃん ページ20
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「 おばあちゃん、おはよう 」
『 ん、おはようございます 』
私は、もう自分で歩けない。
何度言われても 聞き返してしまう。
大事なことも、大事な人も忘れてしまう。
「 朝ごはん、どうぞ〜 」
『 ふふ ありがとう 』
今は 息子夫婦と3人で暮らしている。
その一人息子であり 可愛い孫とは暫く会っていない。
学校は寮制なのかしら。
こんなことも覚えてられないのよ。
「 今日は天気がいいですね 」
『 ね、お散歩できて嬉しいわ 』
ヘルパーさんは、若い男性。
今どきな感じで 黒縁のメガネをかけている。
土日にやってきてくれるんだけど、
何となく 雰囲気が 5年前に亡くなった
最愛の夫に似ていて、
一緒にいると不思議とあの頃が思い出される。
車椅子を押して家の周りを少しお散歩。
と言っても私は座ってるだけだけど。
ふふ。
お昼の間は 今みたいにお散歩したり、
2人でテレビを見たり おしゃべりしたり。
夜になると 四人で食卓を囲む。
ヘルパーさんは 息子夫婦とも打ち解けているみたい。
なんだか、新たにおっきい孫ができたみたいだわ。
ヘルパーさんにお風呂を手伝ってもらってから、
お日様のいい香りがする布団に入った。
やっぱり歳だから夜も早い。
『 今日も一日ありがとう 』
「 ふふ、いえいえ〜 」
そうやって笑った顔は
どこか息子の若い頃にも似ている。
「 おばあちゃん また来週ね 」
『 そんなこと言われたって明日には忘れちゃうわよ 笑 』
明日には、今日あったことも
ヘルパーさんの名前も忘れちゃう。
一日の最後は 孫と2人で撮った写真を眺める。
この頃の孫はまだ7歳とかかな。
となると、今は中学生くらいかしら？
『 ともたか、久々に会いたいものね 』
写真の中の孫は笑顔のまま動かない。
「 おばあちゃん おやすみ 」
部屋の入口に立って電気を消してくれた。
ヘルパーさんの顔は少し曇っていた。
「 ばあちゃん、俺がともたかだよ 」
遠い耳で拾ったその音を
明日の私はもう忘れてるんだろうな。
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メロンソーダ専門店。(プロフ) - とっぽさん» とっぽさん はじめまして。店主好きな方にそう言っていただけるのはとても嬉しいです！拙い文章ですが、これからもよろしくお願いします！ (2019年8月18日 23時) (
レス) id: b96f8c5bac (このIDを非表示/違反報告)
とっぽ(プロフ) - はじめまして！もうほんとにメロンソーダ専門店さんのお話大好きです、！！私トマトクン推しなのできゅんきゅんですっっ笑 (2019年8月18日 8時) (レス) id: 8116b9573c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メロンソーダ専門店。 | 作者ホームページ：http:/http://uranai.nosv.org/u.php/novel/kanako13111/?p=%B2%DA%BA%DA%BB%D2&&...
作成日時：2019年8月12日 0時
