Lens.128 ページ8
Sside
ふ、と目が覚めた。
「ん……、?」
真っ暗闇の中でも、見慣れた部屋に自分の家だとすぐ理解出来て。
しばらくはまともに動いてくれないだろう、寝起きのポンコツの頭を奮い立たせるようにコツ、と自分で自分のこめかみあたりをつついた。
あー……、記憶がない。寝てた感じ?かな。
社長の家から出て…智くんに迎えに来てもらって……あぁ、車の中でオチた感じか………、
うわぁなんか変なこと言ってないといいなぁ自分。
ただでさえ迷惑をかけている智くんに、
未だに智くんに甘えてる自分に、嫌気がさす。
布団まで運んでもらって、本当致せり尽せり…………???、
俺しかいないと思っていた布団。
なのに、もぞ、と動いた布団。
そこにあることを想像して掛け布団をまくれば、まぁ智くんで。
「……うわぁ……、、よだれ……、」
スヤスヤと隣で寝ている智くんはそりゃまあ気の抜けた顔で半開きの口からはダラダラとよだれが。
「もう、…」
近くにあったティッシュで口元を拭えば、
うぅん…、と眉間にシワを寄せて身じろぐ智くん。
「……ふ、おじいちゃんみたい。」
マヌケ面の智くんにかかる髪を指で少しよけてあげる。
前髪、伸びたなぁ。切りに行く時間もないくらい忙しいのかな。
まぁ病院だし、そりゃ気の抜けないことばかりで智くんも大変な事だってたくさん……。
「……ごめんね、智くん。」
そのままスルスルと頬を撫でると、びったりと閉じられていた瞼がゆるゆると開く。
「ん…、翔く、…?」
「ん。ごめん。起こした。」
「ん、んー……なに、どしたの?」
むく、と起き上がった智くんは布団の上で座る俺に向かい合う。
「ん、なんでもないよ。大丈夫。」
「…そ。……寝ないの?」
「ん、寝るよ。」
「……翔くん、寝れない?」
「…うん、ちょっと。」
「眠くなるまで俺も起きとくよ。」
「いいよ、大丈夫。そのうち眠くなるから、智くん寝ててくれて大丈夫だから、」
智くんの頬からずり落ちて投げ出された手は、ムッとした表情の智くんに触れられ、繋がられる。
「俺それ嫌い。」
「………、」
「大丈夫大丈夫って。嘘くさい。」
繋がれた手は離れ、智くんの手はスルスルと上に上がって智くんの手は背中に回って、ぎゅう。と抱きしめられる。
「信じられる、大丈夫。は、昔から言えないもんね、翔くん。」
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adg567(プロフ) - 2人を味方につけた社長は無敵ですね今後の展開も楽しみにしてます(^^)/ (2016年9月4日 20時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - adg567さん» やっと伝えました秘書さん〜( ; _ ; )物語に入り込んでくださって本当に嬉しいです( ; _ ; )楽しみにしていてくださいっご期待に添えるよう頑張ります! (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - ゆいぴょんさん» ずっと読んでくださったんですか!!有り難き幸せ〜( ; _ ; )そうなんですやっと言いました!長かったです本当もう手のかかる秘書さん( ; _ ; )笑 応援ありがとうございますっ頑張ります☆ (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
adg567(プロフ) - わ〜!とうとう気持ち伝えちゃった(*≧m≦*)でもまだまだ安心できない感じですね!!続き楽しみにしてます♪ (2016年8月12日 11時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいぴょん(プロフ) - この作品、ずっと読ませてもらってます!ついに!秘書さんがホントの気持ちを社長に伝えましたね!すごく切ないけどドキドキしてしまいました…!続きが気になるのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!! (2016年8月12日 8時) (レス) id: ceaba55208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミラノスカイ | 作成日時:2016年6月12日 19時