Lens.127 ページ7
Oside
疲れたのだろうか、
運転中に途端に呼吸が浅くなったと思って信号待ちの時に隣を見れば、瞼を落として眠っている彼。
微妙に腫れた目を見れば分かる、きっと泣いたんだろうな。
変な汚れ方をしたブランド物のスーツを見れば分かる、立っている気力を無くす程のことがあったんだろう。
俺なら、そんな顔、させないのに。
そんな思いは、彼に届くことなく空気に溶けていく。
あぁ、いや、口に出したことがないのだから、
俺が心の中で呟いては、消えていく。
あの社長にだけは盗られたくないと思っていたが最近は翔さんが忙しくなにやら落ち着かないことが多くてタイミングが無かった。
今回のことも気になることは多いがチャンス到来と考えれば前向きだろうか。
しばらくして家に着いても彼は起きる気配が無かったので運転席から下りて助手席に周り、扉を開けて彼の首の下と膝の下に腕をすりこませて所謂お姫様抱っこをする。
こんななりでも翔くんを抱えられる力はあるし、
翔くんは俺より身長も高いし体格も大きいが何せ力と体重は無い翔くん。こんなのお安い御用だ。
翔くんを抱き上げて、人気の無いエントランスを通りエレベーターに乗り、俺と翔くんが住む家に着く。
カード式の扉を開けて、ソファに翔くんを運んだ。
彼が目覚めたら聞きたいことはたくさんだが、少々休ませてやらなくては。
こんな形の翔くんに追求する程俺は焦っちゃいないんだ。
俺は俺なりに。翔くんとの距離を詰める。
「おいらは……、泣かせたりなんてしないよ、」
だから俺を見て。
一瞬でもいい。なんでもいい。
一度でいいから、俺を見てよ翔くん。
先輩じゃなくて、同居人じゃなくて、
たった1人の男として、俺を見て。
眠った翔くんにそう心の中で問いかけても届きやしないのに。
現に、今まで届かなかったんだから。
けれど、これからは違うんだ。変えて、見せる。
そう決めたんだ。
社長、あなたには敵わないことが多いかもしれない。
けれど、俺だってそんなにノロマじゃないんだ。
翔くんを泣かせるやつは、許さない。
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adg567(プロフ) - 2人を味方につけた社長は無敵ですね今後の展開も楽しみにしてます(^^)/ (2016年9月4日 20時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - adg567さん» やっと伝えました秘書さん〜( ; _ ; )物語に入り込んでくださって本当に嬉しいです( ; _ ; )楽しみにしていてくださいっご期待に添えるよう頑張ります! (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - ゆいぴょんさん» ずっと読んでくださったんですか!!有り難き幸せ〜( ; _ ; )そうなんですやっと言いました!長かったです本当もう手のかかる秘書さん( ; _ ; )笑 応援ありがとうございますっ頑張ります☆ (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
adg567(プロフ) - わ〜!とうとう気持ち伝えちゃった(*≧m≦*)でもまだまだ安心できない感じですね!!続き楽しみにしてます♪ (2016年8月12日 11時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいぴょん(プロフ) - この作品、ずっと読ませてもらってます!ついに!秘書さんがホントの気持ちを社長に伝えましたね!すごく切ないけどドキドキしてしまいました…!続きが気になるのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!! (2016年8月12日 8時) (レス) id: ceaba55208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミラノスカイ | 作成日時:2016年6月12日 19時