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Lens.144 ページ24






荷物はもうまとめていた。


まぁ、ほぼ秘書室の物は会社からの支給品が多く、基本的に私物が必要になる事は少ない。



鞄を手に持って慣れた足で廊下を歩きエントランスまで降り何事も無かったかのように挨拶をして、会社から出た。



あぁこの時間に外に出るなんて久しぶりか。


この時間は秘書室で資料を片付けていたから。




脳内に残る社長の姿。


記憶の中で振り切れるわけもないが、もう俺は辞めた。

この会社に関わらないのなら社長に迷惑をかけないのなら、もう社長の事を思う存分好いていいだろう。




大事、とか、大切、とか、


本当はそんな言葉で済ませられる程の感情じゃない。




社長は俺の生き甲斐だ。


智くんに散々ワーカホリックって言われて、今までも仕事が恋人仕事が生き甲斐だった。

まさか苦手意識を抱いていた社長が生き甲斐になんて、と。認めたくなかった。


でも認めざるを得ない。


大切、が容易いなんて思わないけれど、

社長がいたから俺は秘書で、



………社長が俺を見つけてくれたから、俺はここにいて、




止まらない歩に会社からはどんどんと遠のいて行く。





これでいい。これで正解。


丸山も、思うのだろうか。

社長が自分の生き甲斐だと。





それだけは、……それだけは嫌だな、


我が儘な俺の小さな嫉妬だ。







「…………あー…、」


もう、勘弁してくれ本当。


泣きそうになる自分が怖い。


本当に涙腺がどうかしてしまったのか。




会社からかなり離れて一度立ち止まる。


この時間に出歩くリーマンは珍しい。

けれど別に人がいないわけじゃない道で、何かの線を切られたかのように溢れ出てくるソレに、すぐさま手で顔を覆うものの周りからの視線は痛いくらいに刺さっていることには気づいている。


が、止まらないんだ。






「ふ…ぅ…………、しゃちょ、…」


我慢ならなくなってその場に座る。




あぁ、なんだかこれさっきの社長みたいだな。


ふ、と笑みが零れる。



あぁもう切り替えなくちゃいけないのに。




涙に、笑みに、ため息、色んなものが溢れ出ている中、久々に聞く声が耳に届く。それも、少し息があがっていて、急いでいたかのような。






「っは……、櫻井、さん!?」


反射的に顔を上げるとゼェゼェと息を荒くして、暑い中走ったのだろうか、汗だくな丸山が膝に手をついてそこに立っていた。

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adg567(プロフ) - 2人を味方につけた社長は無敵ですね今後の展開も楽しみにしてます(^^)/ (2016年9月4日 20時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - adg567さん» やっと伝えました秘書さん〜( ; _ ; )物語に入り込んでくださって本当に嬉しいです( ; _ ; )楽しみにしていてくださいっご期待に添えるよう頑張ります! (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - ゆいぴょんさん» ずっと読んでくださったんですか!!有り難き幸せ〜( ; _ ; )そうなんですやっと言いました!長かったです本当もう手のかかる秘書さん( ; _ ; )笑 応援ありがとうございますっ頑張ります☆ (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
adg567(プロフ) - わ〜!とうとう気持ち伝えちゃった(*≧m≦*)でもまだまだ安心できない感じですね!!続き楽しみにしてます♪ (2016年8月12日 11時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいぴょん(プロフ) - この作品、ずっと読ませてもらってます!ついに!秘書さんがホントの気持ちを社長に伝えましたね!すごく切ないけどドキドキしてしまいました…!続きが気になるのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!! (2016年8月12日 8時) (レス) id: ceaba55208 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミラノスカイ | 作成日時:2016年6月12日 19時

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