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Lens.136 ページ16






会社から出てちょっと歩いたところに人目につかないような路地があったからそこに入って携帯を開く。

あいつも一応専務だ。この時間でも忙しいだろう。


けれど俺があいつを気遣ってやるなんてそんな馬鹿らしいことしない。気色悪い。


壁にもたれてじぃっと小林の連絡先を眺めたところで電話をかけた。





『はい。』


意外と早く出たこいつになんとなく、なんとなくだけど、残念だ、と思う。

時間が止まってほしいなんて、そんな大それた事は願わないけれど、

あぁいやでも、社長の傍にいたい。は、ずいぶん大それたことか。






『もしもし?』

「もしもし。櫻井です。」

『あぁ櫻井さん。』

「あなたに嬉しいお知らせですよ。」

『えぇ?…いったいなんですかねぇ。』


分かっているくせに。気づいているくせに。憎たらしい。


きっとニタニタと汚く笑っているのであろう。

そんなこと容易く想像出来る。





「僕秘書辞めます。」

『…へぇ、いったいどういう心境の変化ですか?』

「別にどうもこうもないよ。辞める。それだけ。約束は守れよ。社長の足引っ張るような事だけはするな。」

『社長思いですねぇあなたは本当に。』

「絶対に、社長に、あの会社に、手ぇだすなよ。」

『ふふ…ずいぶん勇ましい事で。まぁ約束ですからね。キチンと守りますよ私だって大の大人だ。破るなんてそんな子供じみた事しない。』

「分かってるならいい。今日辞める。辞表も出す。社長が受け入れなかったとしてもなんとしてでも辞める。丸山にでもなんでも秘書の立場は譲ってやるし他社のお前らがどんな権限持ってる知らねぇがあの会社にだけは仕事以外で二度と関わるな。」




『ふふ。素、出てますよ櫻井さん。』

「別にいいお前相手に気遣ってやる義理なんてない。」

『ずいぶん冷たいことをおっしゃるんですねぇ…。』



あぁ気色が悪い。こんな通話さっさと切りたい。
が、大事な話だ。投げやりには出来ない。


ニタニタと笑う顔だけが無駄に想像出来て頭が痛い。



『まぁ辞めるということで。私がいちいちあなたの大事な社長の足を引っ張るような手間はかけないで済みましたね。そろそろ動こうかなと思っていたんですよ、櫻井さんあなた社長に傾いているし。』

「…………、」

『丸山に立場を譲ってくれるということで、報告しておきますね。きっと彼も喜びます。』

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adg567(プロフ) - 2人を味方につけた社長は無敵ですね今後の展開も楽しみにしてます(^^)/ (2016年9月4日 20時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - adg567さん» やっと伝えました秘書さん〜( ; _ ; )物語に入り込んでくださって本当に嬉しいです( ; _ ; )楽しみにしていてくださいっご期待に添えるよう頑張ります! (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - ゆいぴょんさん» ずっと読んでくださったんですか!!有り難き幸せ〜( ; _ ; )そうなんですやっと言いました!長かったです本当もう手のかかる秘書さん( ; _ ; )笑 応援ありがとうございますっ頑張ります☆ (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
adg567(プロフ) - わ〜!とうとう気持ち伝えちゃった(*≧m≦*)でもまだまだ安心できない感じですね!!続き楽しみにしてます♪ (2016年8月12日 11時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいぴょん(プロフ) - この作品、ずっと読ませてもらってます!ついに!秘書さんがホントの気持ちを社長に伝えましたね!すごく切ないけどドキドキしてしまいました…!続きが気になるのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!! (2016年8月12日 8時) (レス) id: ceaba55208 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミラノスカイ | 作成日時:2016年6月12日 19時

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