Lens.132 ページ12
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久々にこんなに笑った。
最近柄にもなく泣いてばかりだったから。
なんでか、何事にも無頓着で興味を示さない彼が食欲を訴えているのが堪らなくて、不思議で、違和感で、
一度おかしいと思うとすごく面白く感じて、その場で腹を抑えて笑った。
その間は社長はまぁ不機嫌そうにしていたけれど、少し緩やかになった口元。
それを見れば何でも安心する。
腰を曲げて腹を抑えて笑っていたが落ち着いた頃に顔をあげるり
「…………、」
「ふっ、……いいですよ、電話はあとにします。先にご飯行きましょう。どこに行きたいですか?」
社長は確か意外と子供舌だから子供っぽいものが好きだった記憶がある。
ハンバーグだっただろうか、微妙に高いところは好まなかった気がする。
社長なのに、様にならないこともあるものだ。
「………、」
「社長?聞いてます?どこに行きたいですか?」
いつもは俺が無理やり色んな店に連れて行っていたが今日は社長の意見も聞いてみよう。
きっと、ファーストフード店とかその辺りの名前が出てくるはずだ。
社長の返事を待つが、社長はひたすら無言で返事を返してくれることがない。
さっきまでは嫌だとか腹が減ったとか言っていたのに。やっぱり変な人だ。
「社長?……しゃーちょー?」
今日ここを去るということもあってか礼儀というものが緩まっていて、そのうち和也とか言ってしまいそうな勢いだ。
社長のデスクの前まで歩き、目を合わせる。
「聞いてます?返事してください。何が食べたいですか?」
「………」
「聞き方変えます。どこに行きたいですか?何が欲しいですか?」
「………しょーさん、」
「はい。なんですか。」
「しょーさんが、ほしい。」
「………はい?」
「翔さんが欲しいよ。」
「………な、…なっ、なに言って、ッ!!」
急にガタッと立った社長は、強く、強く、グンッとネクタイを乱暴に引っ張る。
鼻があたりそうな距離に、社長の顔が。
「っ、…!」
「なんなの、最近。」
「っ、は、はい…?」
「今日も、なんなの。何がしたい。」
目………あぁつい最近見た目と、同じ。
『好きだよ、翔さん。』
あぁ、今、思い出すか普通……、
単純過ぎる自分の思考回路。…弱ぇなぁ俺。
「この前も、そうだよ。なんで。なんで急にそんなになるの。」
変人でも、なんでも、勘強くて鋭い社長を忘れていた俺は、かなりの失態をおかした。
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adg567(プロフ) - 2人を味方につけた社長は無敵ですね今後の展開も楽しみにしてます(^^)/ (2016年9月4日 20時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - adg567さん» やっと伝えました秘書さん〜( ; _ ; )物語に入り込んでくださって本当に嬉しいです( ; _ ; )楽しみにしていてくださいっご期待に添えるよう頑張ります! (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - ゆいぴょんさん» ずっと読んでくださったんですか!!有り難き幸せ〜( ; _ ; )そうなんですやっと言いました!長かったです本当もう手のかかる秘書さん( ; _ ; )笑 応援ありがとうございますっ頑張ります☆ (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
adg567(プロフ) - わ〜!とうとう気持ち伝えちゃった(*≧m≦*)でもまだまだ安心できない感じですね!!続き楽しみにしてます♪ (2016年8月12日 11時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいぴょん(プロフ) - この作品、ずっと読ませてもらってます!ついに!秘書さんがホントの気持ちを社長に伝えましたね!すごく切ないけどドキドキしてしまいました…!続きが気になるのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!! (2016年8月12日 8時) (レス) id: ceaba55208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミラノスカイ | 作成日時:2016年6月12日 19時