Lens.78 ページ18
Sside
「ほんとに大丈夫？」
「大丈夫だって。熱も下がったし、ガキじゃないんだから。」
智くんは困ったように笑って、俺を見る。
「辛くなったらすぐ引き返してきてね。」
「んー、」
智くんの視線と言葉を背に、2日ぶり？の外。
さすがに熱も下がってて部屋に籠もってたら頭痛くなるし。
仕事しようにもあと1日の有休が残ってる。
仕事の用意は会社か社長の家に置いてきたし.....ほんとすることねぇからちょっと外の空気吸う。
智くんは心配性だ。学生の頃はそんな感じじゃなかった気がするけどー...。
普段は考えられないようなどうでもいいことを脳内に巡らせて、
気づけばちょっと街のほうに出てた。
てか会社の近く....俺どんだけ歩いてんの...。
そろそろ帰らなきゃ心配性の智くんからえげつない電話がかかってきそうだし帰るかなー、なんて。
振り返る。と、見覚えのある、車に。姿に。
ビリッと脳が痺れて、目が釘付けになった。
何故か、見てはいけないものを見ている気分になった。
ああそうだ、挨拶。挨拶しなきゃ。
車を出しているって事は、誰か俺の代わりに運転しているのだろうか。
俺の、代わりに。
.....普通に休憩中かもしれない、そうだ、そうだよ何不安になってんの俺。
車に背を預けて立っている社長に少しばかり近づく。
「しゃちょ、」
「二宮さんッ！お待たせしました〜っ！！」
えっ、なんて驚いてる間に。
被されて消えた声は、社長の前に立つ人懐こそうな笑顔を見せる男の人は、その人に向ける社長の表情は、
俺が。俺が見たことなくて。
「遅ぇ丸山。」
「いや〜すっげぇ並んでたんすよね。」
わしゃわしゃとソイツの頭を撫でる社長を、見ていられなくて。
逃げた。
やっぱり、俺の代わりなんてたくさんいて。
..........やっぱり？
やっぱり、って、何。
『僕がいなくても、代わりはいくらでもいるでしょう、』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢咲美森 - あけましておめでとうございますm(_ _)m新年早々面白かったです(^o^)チョードキドキしました(≧∀≦)また今年も更新頑張ってください(・ω・)ノ応援しています)^o^( (2017年1月13日 20時) (
レス) id: fccf25a126 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - お餅さんさん» 本当ありがとうございます！！( ; _ ; ) (2016年3月21日 2時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - 櫻宮大好きさん» お待たせして申し訳ありません( ; _ ; ) (2016年3月21日 2時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
お餅さん(プロフ) - いや、この言葉を聞けて嬉しかったです!!私、ミラノスカイさんに並べるよう頑張ります!! (2016年3月17日 15時) (レス) id: 55f73a3cfe (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮大好き - 続き、まだですか。楽しみにしています。 (2016年3月16日 23時) (レス) id: 7a5498f3c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミラノスカイ
| 作成日時：2016年1月17日 21時
