カメラの向こうのあなたと

酔っぱらいは面倒くさい[東海 りょう] ページ2

今日は東海オンエアの忘年会。皆でてつやの家に集まってお酒を飲んだり、私が作った料理を食べたりしているのだが…

｢ふふ〜、A〜｣
｢りょうくん…重い…｣

珍しく酔っ払ったりょうくんが、後ろから抱きついてくる。普段こんなに酔うことないのに…

｢A、あーんして！｣
｢え〜、皆いるし恥ずかしいでしょ…｣
｢ふーん、嫌なんだぁ…恋人なのに…｣

今度はしゅーんとしょげ始めた。あー、もう、仕方ないなぁ…

｢ほら、あーん……｣
｢ふふ〜美味しい〜。A大好き〜｣
｢わっ…もう…重いってばぁ｣

今度は前から、また抱きついてきた。少し酒くさいけど、りょうくんのいいにおいがする。
ふと見ると、りょうくん以外の皆がスマホを取り出し、こちらに向けていた。

｢もう！ニヤニヤしながら写真取らないでよ！｣
｢面白いしいいでしょ｣
｢お、これTwitter載せよ｣
｢ふっざけんな！｣
｢A怖い｣
｢あれ、おーい、りょーくーん…寝たの、おーい…｣

りょうくんの顔を覗き込むと、私に抱きついたまま、目を閉じて眠っていた。嘘でしょ…

｢てつやー、布団借りていい？りょうくん運ぶの手伝って｣
｢うぃー｣

てつやに手伝ってもらって、りょうくんを布団に寝かせた。これで一件落着と思ったが、りょうくんにぐいっと腕を引っ張られた。

｢A〜、一緒に寝よ｣
｢え、う、うん、わかった｣
｢ねえね、A｣
｢なーに？｣
｢どうしてさぁ〜、俺以外は名前だけで呼んでるのに、俺はいつまで経っても君付けなの？｣
｢へ？…きゃっ！｣

抱きしめる腕を解いたかと思うと、今度は私の上に来て、床ドンのような体勢になった。顔が益々熱くなる。態度はさっきと変わらないけど、目付きは鋭い。

｢そ、それは…その…りょうって呼んでみたいんだけど、いつも恥ずかしくなっちゃって…緊張しちゃうから……｣

顔が急に熱くなる。これはもちろん本当のことだ。すると、りょうくんがニコニコしながら、またぎゅーっと抱きしめてきた。今日の彼は態度がコロコロ変わるから大変だ。

｢何その理由…可愛すぎ｣
｢わっ！りょうく……りょう！苦しい…｣
｢ふふ！りょうって言ってくれた〜。ご褒美してあげる。｣

いつもの笑顔で顔を近づけられ、唇に優しくキスされた。鼓動が早くなる。

｢ま、まだ、慣れないからさ、りょうって呼ぶの2人きりのときだけでいい？｣
｢いいよ〜。俺もこんな可愛いAのこと、アイツらに見せたくないし｣

りょうはニヤッと笑った。

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