一限目 ページ24
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「ゲホッ、ゲホッゴホッ」
授業中、教師の声と櫻井の咳だけが教室に響く。
俺はもちろんのこと、教室中ほとんどの奴が櫻井に心配そうな視線を送っていた。
あいにく本人はそれどころじゃなさそうだが。
「櫻井…大丈夫か？」
自分の声を妨げるように咳をする櫻井に、ついに教師が声をかける。
「すいません…ゲホッゴホ！」
櫻井の声は、小さくて、酷く掠れていた。
「保健室行ったほうがいいだろ…おい、松本、お前連れてってやれ」
「え、俺？」
思わぬ好展開。
俺は心の中でガッツポーズを決めて、変わらず咳き込む櫻井の背中をさすってやる。
触れた背中の体温が、さっきより確実に上がっていた。
「櫻井、歩けるか？」
「だいじょぶ…ごめんな、潤…」
「いいから」
フラつく櫻井を支えて立たせると、前髪で隠れた丸い額に触れてみる。
思った以上に、熱い…
そのまま肩を抱いて教室を出たが、歩くと足がもつれてしまうようで、少しずつしか進めない。
「…櫻井、おぶるよ」
見かねて、そう言った。
一度したことがあるからか、余裕もないほど辛いのか、櫻井は数秒躊躇った後素直に体重を預けてくれる。
なるべく揺らさないで、階段を慎重に下りる。
途中、急に背中の重みが増した。
返事は、返ってこない。
一瞬どきりとしたが、首筋に当たる規則正しい寝息から、眠っているのだと分かって安心した。
そのまま、保険室に着く。
「大野！いるか？」
両手が塞がってドアが開けられないので、中にいる大野に声をかける。
すると、すぐにドアが開いた。
「大野先生だ、バーカ…って、やっぱりか」
大野は、俺に担がれた櫻井を見るなり呆れたように溜息を吐く。
「やっぱりって…なにがだよ」
「あ？いや、こっちの話だ。翔くん、意識は？」
「さっきまで起きてたけど…寝ちまったっぽい」
「寝ちまったってか気絶してんじゃねぇだろうな…お前、ベッドまで運べるか？」
「いけるけど…」
気絶なんて、縁起でもないこと言わないでくれ。
俺はこれまた慎重に、櫻井をベッドに寝かせた。
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いちごぱんつ(プロフ) - 鞠さん» 更新できなくて申し訳ありませんでした！！また応援よろしくお願いします！！ (2016年8月12日 18時) (
レス) id: cf76ca5eaa (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱんつ(プロフ) - あやかさん» ms os大好きとはうれしいです！！これからもよろしくお願いします！！ (2016年8月12日 18時) (レス) id: cf76ca5eaa (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱんつ(プロフ) - ミロさん» はじめまして！！ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！(^o^) (2016年8月12日 18時) (レス) id: cf76ca5eaa (このIDを非表示/違反報告)
鞠(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしておりました。しばらく更新がなくどうしたものかと心配していたのですが復活という事で本当に安心しました(;_;)これからも素敵なお話楽しみにしてます！ (2016年8月12日 3時) (レス) id: 29db723076 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - はじめまして。ずっと待っていたので戻ってくださって凄くうれしい！MSもOSも大好物なので全作品愛読させていただいてました。完全復活バンザイです！これからまた楽しみが増えました！いちごぱんつさんのペースでかまわないので更新続けていただけるとうれしいです。 (2016年8月12日 3時) (レス) id: a16a47dad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごぱんつ
| 作成日時：2015年4月5日 8時
