心配性 ページ20
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少し、風が冷たくなった。
日陰にいるせいだろうか。
季節に似合わず、微かに肌寒さすら感じる。
「…けほっ、けほ、こほ…」
「大丈夫か…？寒い？」
軽く咳き込んだ櫻井に、咄嗟に声をかけた。
「大丈夫だよ…ちょっと噎せただけ」
「…本当か？身体が冷えたなら、中に…」
我ながら、しつこいとは思う。
櫻井もそんな俺を、呆れたように笑った。
「大丈夫だから。もう、心配症だな」
「しゃあねぇだろ、そうゆう性格だ」
「ハハ…ならしゃあねぇな」
余りに櫻井が笑うから、なんだか恥ずかしくなって顔を反らす。
真っ青な空が目に入りしばらく眺めていると、ピーッと、グラウンドの方から笛の音が聞こえてきた。
その時、突然肩に重みがかかった。
慌てて振り向くと、俺の肩にもたれかかった櫻井のフワフワな頭が目の前にある。
「…ど、した？具合でも…」
「…違うよ。でも、やっぱ…ちょっと寒いかも」
この角度では表情は見えない。
だけど、なんとなく、笑ってはいないような気がする。
どうしようかとオロオロしていると、櫻井が俯いたまま何やらモゾモゾと動き出し、俺の背中にピッタリとくっついてきた。
「ちょ、おい、何やってんだお前？」
「んー？風除け…寒いから」
「風除けってな…寒いなら中入るぞ」
「やだ、入んない」
ガキかこいつは…。
俺にはたまに、櫻井のキャラが分からない。
背中に張り付いた櫻井を引っぺがし、クルリと後ろを向いて櫻井に向き合う。
そして着ていた学ランを脱ぎ、少々乱暴に櫻井の肩に羽織らせた。
一連の流れに、彼はポカンと置いてけぼり状態である。
「寒いなら着てろ、バカ」
バカ、と最後に付け足したのは、完全な照れ隠しだ。
「え…あ、その、ありがとう…」
櫻井は、まだ驚いた様子で、肩にかけた学ランと俺を何度か見比べる。
「…お前、なで肩だから押さえてないと落ちちゃうぞ」
「う、うるせ！コンプレックスだっての！」
顔を赤くして、学ランのはじをキュッと押さえる櫻井は、ぶっちゃけ先程見たやる気なさげに体育の授業を行う女生徒達の誰よりも可愛く見える。
見えるもんは、仕方がない。
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いちごぱんつ(プロフ) - 鞠さん» 更新できなくて申し訳ありませんでした！！また応援よろしくお願いします！！ (2016年8月12日 18時) (
レス) id: cf76ca5eaa (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱんつ(プロフ) - あやかさん» ms os大好きとはうれしいです！！これからもよろしくお願いします！！ (2016年8月12日 18時) (レス) id: cf76ca5eaa (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱんつ(プロフ) - ミロさん» はじめまして！！ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！(^o^) (2016年8月12日 18時) (レス) id: cf76ca5eaa (このIDを非表示/違反報告)
鞠(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしておりました。しばらく更新がなくどうしたものかと心配していたのですが復活という事で本当に安心しました(;_;)これからも素敵なお話楽しみにしてます！ (2016年8月12日 3時) (レス) id: 29db723076 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - はじめまして。ずっと待っていたので戻ってくださって凄くうれしい！MSもOSも大好物なので全作品愛読させていただいてました。完全復活バンザイです！これからまた楽しみが増えました！いちごぱんつさんのペースでかまわないので更新続けていただけるとうれしいです。 (2016年8月12日 3時) (レス) id: a16a47dad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごぱんつ
| 作成日時：2015年4月5日 8時
