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「うわっ」
立ち去ろうとした時、後ろから羽織を掴まれた私は思わず腰をつく。
「え、なんか用でもおありで」
後ろで私の頭を見つめながら、同じ様に尻餅をついている隊士に向かって聞いてみる。そしたら、その隊士は
「お前……もしかしてあの時の…それにその髪…」
驚いている様に私に聞いてくる。
この隊士、私が数週間前に助けた奴だということに気づいたみたいだった。
「そうだよ…。私があの時に君を助けた隊士です。それでこの髪色は、日に当たると赤に見えるかもしれないけど……、本当は赤みがった茶髪だよ」
説明しながら、私はあの時の様にこの隊士の手を取りながら起こすのを手伝う。
「そんで、まぁ、今日来たのは君の大切な白蛇の飼い主を探しに来たんだよ」
「……………………………………………………」
「えっと……それでね…」
立ち上がってから、ずっと黙ってる隊士に向かっての返答に言葉詰まる。
「あんた…、「か嗚呼!」
その隊士が何か言いかけた瞬間、私の鎹鴉が遮って「白凪 A、今すぐ東の町へ迎え!。そこには下弦の鬼が潜んでいるとの情報あり!」
「「!」」
鎹鴉からの急な指令の、下弦の鬼という単語に驚く。下弦の鬼は十二鬼月の中の一体。下弦といえど、油断はできない相手である。
「えっと―…とりあえず私は任務だから。それじゃ!」
急いで向かう。私は隊士に向かって軽くサヨナラの挨拶をして東の町へと向かう。
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マロン栗(プロフ) - オオオオオ\\└( 'ω')┘//オオオオオ (2020年1月26日 17時) (レス) id: b90ff1ebef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マロン栗 | 作成日時:2019年9月14日 17時