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「寝れないな……」





Aの屋敷に住んでから数日、あの人との共同生活には慣れてきたが寝る所が変わるとなかなか寝付けない。何故だ。




体を起こしてふすまを開ける。
寝るのは諦めて夜風にでも当たりに行くことにした。






縁側に出ると、見知った人影があった。



風に揺らされる髪は月の光にあたって赤色に見える。
前に見たことがある色。



人影の正体はAだった。





「ん?」



俺の気配を察知したのかこちらに振り向く。



「伊黒か。寝たと思ったのに見られちゃったね」



そう言ったAは笑って、まぁ付き合ってよと俺を無理やり座らせる。


さっきから無理やりすぎるぞこの人。



「それで……何をしてるんだ?」




「まぁね…ちょっと月見をね。ほら、今日は満月じゃん眩しいくらい光ってる。」



そう言いながら月に指をさす。


「私はね、満月の日はこうやって月を見ながら団子を食べるのが日課なんだ。あ、伊黒も団子食べる?」





俺はいい、と断る。あの傷を見せる訳にはいかないから。おどろかせるからな。



「アンタ…何でこんなことをしてるんだ?」



「まぁ…ちょっとした暇つぶしかな。1人で居るのはつまんないからね。だけども、こうして伊黒がここに住んでくれてからはいつもが楽しくてね。飽きないよ」



またAは口を開いて



「それでさ。伊黒、こうやって時々一緒に月見しない?1人よりかは誰かが居た方が楽しいし」



「どう?」



Aは笑いながら俺に尋ねてくる。


人と喋るのはそんなに好きじゃないが、暇つぶしとして付き合う事にしよう。


「分かった」

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マロン栗(プロフ) - オオオオオ\\└( 'ω')┘//オオオオオ (2020年1月26日 17時) (レス) id: b90ff1ebef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マロン栗 | 作成日時:2019年9月14日 17時

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