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　む　ろ　た　つ　き　く　ん　 ページ30

「何で…っ?!」


2012年、春。

春魂真っ只中。


＿＿＿…そんな時。


きーくん…、室龍規くんが、突然。事務所を辞めると言い出した。


「や、やめてやそんな冗談…!むろってる、むろってる!!」


悲しく笑っても、きーくんは笑い返さんと私の目を真っ直ぐ見ていた。


「なん、で…辞めるとか…今言うん…、」


室「…さあな。けど、Aだけには伝えておきたかったねん」

室「＿＿…ごめんな、こんな先輩で」


「嫌、や…。嘘って、言うてよ…!」

「何で笑って‥っくれへん、の…?」

「何で…きーくんも、泣いてる、んっ!!」


室「A…っ、」



きーくんが、抱き締めてくれた。

2人とも、服がびしょびしょになるまで抱き合って泣きあった。




そして、迎えてしまった千秋楽。




きーくんは泣いていた。


私も、泣いていた。
みんなも、泣いていた。






室「…本間、男の癖して泣くとか恥ずかしいな、俺」

「そんなことないで。女の子も泣いてばっかじゃ恥ずかしいから。」

「A、きーくんがまた売れっ子になって芸能界復帰したときは」

「泣き虫卒業しておくから…っ」


室「…っおん、卒業しといてや?」

室「ありがとうな、1年っていう短い間やったけど、Aとは濃い1年を過ごせた」

室「楽しかった。…また逢えたらええな」


これが私ときーくんが交わした最後の＿…会話。







　





「…きーくん、」

＿「あれ、まだ卒業できてないん?泣き虫さんっ」




いつかまた、こんな会話ができる日が来ることを願って＿＿…。








　

　う　ち　か　ね　誕　生　秘　話　→←　複　雑　、　応　援　

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