久しぶり ページ38
哀しくなるのも、辛くなるのも。
痛くなるのも、切なくなるのも。
そこには全部ジョングクがいて。
だったら、もうこんな傷つくばっかの恋なんて
すっぱりと諦めてしまった方がいいに決まってる。
眠りにつく前、私はお願いする。
明日になったらグクの事が好きじゃなくなってますように、って。
それなのに、
朝起きたら相変わらずグクが好きで
学校で彼の姿を見れば
ギュ...って胸が締め付けられて。
好きがまた一つ増えて、どうすればいいのか分からなくなる。
そうやって日々は無情に過ぎていく。
何も変わらないまま。
*
どこからともなく聞こえてくる蝉の鳴き声。
その声に時折、意識を妨げられつつ
定期試験に向け、図書館にて一人勉強をしていた。
無心に英単語を書き連ねていたら
向かいの席に誰かが座った。
私はペンを休ませて、チラッと目を上げる。
そこには見慣れた顔。
けれど、こんなに真正面から見るのは久しぶりだった。
「やっぱここにいた」
その人は得意げに笑った。
私の胸は何かに摘ままれたみたいに痛くなる。
「俺、全然手付けてないわ」
「そういう割には全然余裕そう」
「だって毎回なんとかなんだもん」
「むかつく」
「要領良いからなー、俺(笑)」
「はいはい」
適当にあしらって
止めていたペンを再び走らせれば、
グクは黙って頬杖をつく。
ひしひしと感じる視線に
私の中の集中力が切れる。
私はパタンとノートを閉じて、向かいのグクを見る。
「で、何か用？」
「用がないと来ちゃいけないの？」
予想してなかった言葉に私は黙る。
それからフルフルと首を振れば
グクは歯をみせて笑う。
「なんか、久しぶりじゃない？」
「いつも会ってるじゃん」
「そーいうことじゃない(笑)」
じゃあ、どーゆうこと？
って瞳でグクを見つめる。
「Aさ」
久しぶりに名前を呼ばれて
ドキドキしてるなんて絶対ばれたくなくて、頑張って表情を管理する。
グクの形の良い唇がゆっくり弧を描く。
「俺のこと避けてた？」
薄っすらと微笑んだままグクは私に問う。
一瞬、黒目がちの瞳が揺れたような気がした。
「なんで？」
「質問返しすんな(笑)」
「...避けてない」
「ほんと？」
覗き込むように私の表情を伺ってくるグク。
なんか半笑いだし。
「ほんとだって(笑)」
釣られるように笑ったら、グクは囁くように呟いた。
「やっと笑った」
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うに(プロフ) - 続編が読みたいです（ ; ; ） (5月7日 16時) (
レス) id: fc966db95f (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - これ続き消しましたか？ (2020年8月4日 2時) (レス) id: 3dd0ee7796 (このIDを非表示/違反報告)
zin(プロフ) - 上手くいかない、もどかしい、哀しい、辛い……。本当に切ないです。でも お話に出てくる子達が主人公をはじめ、みんなイイ子で魅力的です。ミンギュ君 テヒョン君、ナイスです！やっぱり私は胸が痛くなるけど 切ないお話が大好きみたいです^^ 更新楽しみにしています。 (2017年11月4日 1時) (レス) id: f535f69715 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん - ミンギュ出てきた！ちょー嬉しい！！テテの「月が綺麗ですね」って言うのに凄くキュンキュンした！でもそれに「それ言われたら、死んでもいいって返すんだよね。」って言った主人公に一瞬、戸惑ったわww作者さいこーww (2017年11月3日 22時) (レス) id: 3d31ebd9bc (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - オトコトモダチが1番大好きで更新されるの楽しみにしてます！ (2017年11月3日 6時) (レス) id: 4dbcce6e2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆乳 | 作成日時：2017年7月2日 20時
