アイドル ページ28
大学までの道をとぼとぼ一人で歩いて行く。
正門に近づけば喧騒は賑やかになって二日酔いの私の頭に重く響く。
それにしても少し早く来すぎたかな。
腕時計を確認すれば４限まで相当に余裕がある。
どうしよっかな。ご飯でも食べようか。
そう思いながら歩いてると、突然腕を掴まれる。
びっくりして思わず身構えると、
「Aちゃん、見っけ！」
そう言って二へっと笑って見せた人はよく知ってるはずなのに、少しだけ彼が誰なのか認識するのに時間がかかってしまった。
だって。
だって。
「え...。え、テ、テヒョンくん、だよね！？」
どうしてここにいるの？
そんな疑問なんてどこかへ飛んでしまうほど。
「イメチェンしてみた」
そう言って�校�ポーズを顔の横で作る彼の髪の色にただ驚く。
真っ黒だったはずの髪が色素を抜いたようなグレーに染まってて。
軽く遊ばせた毛先からは随分と大人びた印象を受けさせた。
なんだろう。
同じテヒョン君のはずなのに、知らない人みたいでドキドキする。
「...すごい、すんごーく似合ってる」
「んひひ、でしょー(笑)」
照れたように笑うテヒョン君がいつも通りだったから、私はなぜかホッとした。
「声かけられたのに一瞬誰だかわかんなかったよ」
「え、そこまで！？」
「うん。しかもいきなり腕掴まれたし」
「だってAちゃん全然気づかないんだもん」
ぶーっと口を尖らせるテヒョン君に「ごめん」と軽く謝る。
そうして私はようやくもう一つ気になっていたことを思い出した。
「髪の毛もびっくりだけどテヒョン君がここにいるのもびっくり。」
「あー、それはね。この近くに住んでる友達のヘアモデルの練習台頼まれてねー」
そう言ったテヒョン君の髪をチラッと見やって、彼の友達の技術の高さに感心する。
「そーいえばこの辺Aちゃんの大学の近くじゃん！って思い出したから来ちゃった」
「来ちゃった、って(笑)あ、だから変なラインしたんだ！」
「そう！驚かせよっかなって思って」
悪戯っ子のように四角い口で笑う彼にやっぱりなんだかもやもやする。
「やっぱなんかテヒョン君なのにテヒョン君に見えないよ」
「えー何それ(笑)地味に傷つく」
仕草とか表情は変わらないのに。
「だってアイドルにしか見えないんだもん」
「かっこいい」ってその一言がどうしてだか出てこなくて、私は代わりに自分なりの精一杯の褒め言葉を彼にあげた。
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うに(プロフ) - 続編が読みたいです（ ; ; ） (5月7日 16時) (
レス) id: fc966db95f (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - これ続き消しましたか？ (2020年8月4日 2時) (レス) id: 3dd0ee7796 (このIDを非表示/違反報告)
zin(プロフ) - 上手くいかない、もどかしい、哀しい、辛い……。本当に切ないです。でも お話に出てくる子達が主人公をはじめ、みんなイイ子で魅力的です。ミンギュ君 テヒョン君、ナイスです！やっぱり私は胸が痛くなるけど 切ないお話が大好きみたいです^^ 更新楽しみにしています。 (2017年11月4日 1時) (レス) id: f535f69715 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん - ミンギュ出てきた！ちょー嬉しい！！テテの「月が綺麗ですね」って言うのに凄くキュンキュンした！でもそれに「それ言われたら、死んでもいいって返すんだよね。」って言った主人公に一瞬、戸惑ったわww作者さいこーww (2017年11月3日 22時) (レス) id: 3d31ebd9bc (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - オトコトモダチが1番大好きで更新されるの楽しみにしてます！ (2017年11月3日 6時) (レス) id: 4dbcce6e2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆乳 | 作成日時：2017年7月2日 20時
