間接キス ページ24
*
2口ほど飲んで喉元に広がる炭酸の刺激を和らげるように軽く息を吐く。
なんだか今日は酔えそうにないな、なんて思って隣の彼を見やれば、
ゴクゴクと勢いよく喉仏が動いてビールを流し込むように飲んでいる。
「グク、先に言っておくけどペース気を付けてね」
そう忠告すれば缶を口に付けながら横目で私を見る。
「はぁ、うまい」
グクの飲む姿を見ていると、苦いだけのビールが美味しく見えてしまうんだから不思議なものだ。
「グクってビール好きだよね。」
「だって旨いんだもん」
「苦いじゃん」
「舌がおこちゃまってことだろ(笑)」
「うるさいなー」
私はチビチビとお気に入りのラムネ味のチューハイを拗ねたように飲む。
確かにこんなのはジュースと変わりないよなー、なんて可愛らしいデザインのそれを眺めてぼんやり思っていたら、
「一口飲む？」
「え？」
「ん」って自分の飲んでいた缶ビールを私に差し出してくるグク。
視線をグクに向ければ既に首元や顔が赤みを帯びているのが見て取れた。
「意外と旨く感じるかもよ」
「...どーだろ」
私は差し出されたそれを受け取る。
ひんやりした缶とは相反するように熱を帯びた彼の指先が軽く触れた。
ビール缶をもって驚く。
「飲むの早すぎじゃない？」
「いつもこんなもんだよ」
本当に大丈夫か、この人？なんて思いつつ飲み口を近づけて気づく。
...あ、これ。
間接キスじゃんか。
そうは思ったものの、こんなことで動揺する私を悟られるのが嫌で
勢いよくビールを体に流し込んだ。
それがいけなかったみたい。
口内にじんわりと広がる慣れない苦みと炭酸の刺激に思わずむせてしまった。
「ゴホッ、ゴホッ」
「え、大丈夫？」
グクはそんな私の異変に距離を縮めて背中をさすってくる。
「ごめん、飲ませなきゃよかった？」
「ケホッ、だいじょぶ。ちょっと気管に入っただけ」
そう言って手に持っていたビールをグクに渡して気づく。
距離の近さと、背中をさすられていた部分の熱に。
酔ってもいないのに顔が熱を帯びていくのを上手に誤魔化すように、
グクに倣ってグビグビとチューハイの缶を煽った。
前言撤回。
もしかしたら、酔ってなければやってられないかもしれない。
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あ(プロフ) - これ続き消しましたか？ (2020年8月4日 2時) (
レス) id: 3dd0ee7796 (このIDを非表示/違反報告)
zin(プロフ) - 上手くいかない、もどかしい、哀しい、辛い……。本当に切ないです。でも お話に出てくる子達が主人公をはじめ、みんなイイ子で魅力的です。ミンギュ君 テヒョン君、ナイスです！やっぱり私は胸が痛くなるけど 切ないお話が大好きみたいです^^ 更新楽しみにしています。 (2017年11月4日 1時) (レス) id: f535f69715 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん - ミンギュ出てきた！ちょー嬉しい！！テテの「月が綺麗ですね」って言うのに凄くキュンキュンした！でもそれに「それ言われたら、死んでもいいって返すんだよね。」って言った主人公に一瞬、戸惑ったわww作者さいこーww (2017年11月3日 22時) (レス) id: 3d31ebd9bc (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - オトコトモダチが1番大好きで更新されるの楽しみにしてます！ (2017年11月3日 6時) (レス) id: 4dbcce6e2c (このIDを非表示/違反報告)
マル - ヤバイです！めちゃくちゃキュンキュンします！2人の関係性が羨ましすぎで夜中にキュンキュンしてしまいました(^_^)更新楽しみにしてます！ (2017年10月28日 2時) (レス) id: 9861427ca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆乳 | 作成日時：2017年7月2日 20時
