子供 ページ35
「...おはよ」
って返せば、猫みたいに目を掻きながらテヒョン君は頷く。
そんな私たちに配慮するように
「じゃあ、俺行くわ」
ってグクは一言残して、
「えっ」って声を出した時には、既に目の前にグクはいなかった。
講義室を出ていくグクの後姿。
追うようにジッと見つめていれば
ちょうど入れ違いに何人かの学生が入ってきてハッとする。
早く出なきゃ。
私は未だとぼけた表情をしているテヒョン君を急かして
急いで講義室を後にした。
＊
「やー面白かった！」
帰り道、テヒョン君は満足、満足といった風に
今日一日の感想を口にした。
そんなテヒョン君をチラリとみて、ちょっとからかってみる。
「テヒョン君お絵描きとお昼寝しかしてなかったもんね」
「あー、Aちゃんそーやって子ども扱いするんだ」
わざとらしくプクッてほっぺたを膨らませて私を睨む。
「だってテヒョン君子供っぽいんだもん(笑)」
「そう言われないためにイメチェンしてみたのに」
綺麗な指先で
色の抜けた毛先をもてあそぶようにしてクルクル弄る。
黙ってればホント印象違うんだけどな...
「テヒョン君は大人っぽく見られたいの？」
「そりゃ、そうだよ」
少し照れたように笑うテヒョン君。
ちょっとかわいい。
「だってさー...」
ちょっと言い淀むような間にテヒョン君をチラッと見れば
目が合って笑われる。
「さっきのカッケー兄ちゃん、お酒たくさん呑めるんでしょ？」
「...さっきの兄ちゃん？」
誰かなんて考えずともわかるのに。
私はわざと知らんぷり。
「俺さ、途中から起きてたんだよね」
「え、うそ」
「だからAちゃんがその兄ちゃんと話してたの聞いてた(笑)」
ニコニコ笑うテヒョン君。
「俺もお酒飲めるようになれば大人の男になれるかなー」
一人ごとみたいに言う。
なんだかそれも少し違う気もするけど...。
口を尖らせてしょぼくれるテヒョン君を励ますように声をかける。
「でもさっきのお兄ちゃん、悪酔いするし酒ヤケひどいしでどうかとおもうけどな」
昨日のジョングクを思い浮かべる。
ホントにあんな酔っぱらってるの見たのはじめてかも。
...あ、違った。
やだな、嫌なこと思い出しちゃった。
＿＿＿『早く大人になりたい』
あの日もグクは酔っぱらってたな。
考えてみたら、グクが悪酔いするのはいつだってあの人で悩んでいるときだ。
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うに(プロフ) - 続編が読みたいです（ ; ; ） (1時間前) (
レス) id: fc966db95f (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - これ続き消しましたか？ (2020年8月4日 2時) (レス) id: 3dd0ee7796 (このIDを非表示/違反報告)
zin(プロフ) - 上手くいかない、もどかしい、哀しい、辛い……。本当に切ないです。でも お話に出てくる子達が主人公をはじめ、みんなイイ子で魅力的です。ミンギュ君 テヒョン君、ナイスです！やっぱり私は胸が痛くなるけど 切ないお話が大好きみたいです^^ 更新楽しみにしています。 (2017年11月4日 1時) (レス) id: f535f69715 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん - ミンギュ出てきた！ちょー嬉しい！！テテの「月が綺麗ですね」って言うのに凄くキュンキュンした！でもそれに「それ言われたら、死んでもいいって返すんだよね。」って言った主人公に一瞬、戸惑ったわww作者さいこーww (2017年11月3日 22時) (レス) id: 3d31ebd9bc (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - オトコトモダチが1番大好きで更新されるの楽しみにしてます！ (2017年11月3日 6時) (レス) id: 4dbcce6e2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆乳 | 作成日時：2017年7月2日 20時
