ニジュウナナ！ ページ28
次の日、朝練を終え、教室で支度をしていると、ある女の子に呼ばれた。
廊下に出てみれば、それは徹くんの彼女だった。
「あ、あの、バレー部のマネージャーさんですよね？
少しお話いいですか？」
震えた瞳で私を見る徹くんの彼女。
「もちろん」
そう言って、その場を離れた。
屋上に移動して、徹くんの彼女と2人きりになった。
私はいつも常備しているぶどうジュースを、徹くんの彼女にあげた。
「私は綾瀬A。あなたは？」
「広瀬紀子です。」
「紀子ちゃん、よろしくね。」
そう言って、私は座った。
その横に紀子ちゃんも座った。
私より身長の低い彼女は、とても可愛らしい顔をしており、徹くんと一緒にいる所を想像するとお似合いだなと思った。
「それで、私に話って？」
「徹くんのことで…」
紀子ちゃんは少し黙って下を向いた後、意を決したように私を見て話し始めた。
徹くんの応援に来ていたあの日、紀子ちゃんは、実は初めてバレーを見に来たそうだ。
他の人の邪魔になってしまうことよりも、自分の彼氏である徹くるが余りにもかっこよくて、ついつい声を出してしまったそう。
その後、周りの雰囲気から、それは過ちであったことに気づいて、30分の休憩タイムに、徹くんの所へ謝りにいったそうだった。
「そうやって気づいてくれてありがとう。」
「ううん。それよりも、続きがあって…」
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作者名：とまと | 作成日時：2022年9月19日 1時
