【オリジナル】たいせつなひと (ページ25)

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転校生の子は、二学期にこの学校に転校してきた子で

私の中のいい男子の彼女だった

その男子は、私の隣の席で

転校してくる前から、

二人がうまくいっていないことは知っていた

相談にものったし

アドバイスもあげた

それが災いしてか、なんなのか、

その転校生は

私が転校生の悪口を言っている、

と先生に言ったそうだ

「私は決して、彼女の悪口は言っていません

関わりもないのに、そんなこと言えません」

「俺も、Aは無闇に人の悪口は言わないって思ってるよ

本人からそれを聞けてよかった」

たったそれだけの二者面談だった

この問題は、学年の先生たちの中では、かなり大きな問題だったらしい

相川先生は、私を庇ってくれていたと、昨年担任だった、松井先生が教えてくれた

「先生、信じてくれてありがとうございます」

「Aの普段の行いがいいからな」

彼がいなくたって、

私には支えてくれる人がいる

助けてくれる人がいる

それがわかった日だった

強くなれなくたっていいと思った日だった

ただ、彼を忘れることができれば

それでいいと思った