【オリジナル】たいせつなひと (ページ19)

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第二章変化ページ19

「帰りのHRが終わったら、A、職員室な」

「はーい」

私を呼び出したのは、生徒会の顧問でもある担任

教員歴二年目という超若手ながら、

生徒会の顧問を任された実力者だ

「相川先生、今日は何の用ですか」

先生はいつも、私に変な仕事を押し付ける

いつだかは、会長に伝言ってだけで呼び出された時もあった

「お前、藤崎と喧嘩したのか？」

「は？」

唐突すぎて、うまく言葉が返せなかった

私は戸惑った

「最近、休み時間一緒に居るところを見ないから

喧嘩でもしたのかなって」

「そういうわけじゃないです

もう、私忙しいんだから、委員会行きます！」

正直に言えば、私は蒼琉から少し距離を置いている

それは数週間前に、いきなり告白されたからだ

"好きな人ができた"と

衝撃だった

信じられなかった

これだけ一緒にいて

これだけたくさんの時を過ごして

どうして私じゃなくて

他の女の子を好きになれるのか

そう思うと、彼から離れたくなった

もう、彼の近くにいるのは無理だと思った

私が彼の近くにいれば

私も、彼の好きな人も、彼を好きな人も傷つく

それだけじゃない

いつまでも彼といれば

彼を傷つけるし

彼に、もう一緒にいたくないと

手放されるかもしれない

そう思えば、自分から離れることは

全くと言ってもいいほど苦ではなかった

藤崎蒼琉から卒業しよう

彼から離れよう

そう思ってから、委員会の仕事も増え、

自然と彼と過ごす時間も減っていった