【オリジナル】たいせつなひと (ページ16)

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本番当日、私は朝早くから学校にいた

音楽の先生と共に、ピアノの最終調整をするためだ

そして、生徒会メンバーで開閉会式の最終リハを行い

円陣を組んで、やる気を高めた

いよいよ、合唱コンクールが始まった

指揮者、伴奏者は、全員舞台裏に集合する

彼と彼女が一緒に話しているのを見た

でも、あまり気にはならなかった

目の前のことに頭がいっぱいだったのかもしれない

いや、そうに違いない

自分のやるべきこと

自分にしかできないこと

自分ができる精一杯のこと

この全てをやろうと思った

ただそれだけだった

先に結果を言うと

私のクラスは学年優秀賞と、学年指揮者賞をとった

残念ながら私個人としては、賞はとれなかったが、

あまり悔いはなかった

彼は、新人賞をとっていた

やっぱりなって思った

彼とだったら、私も新人賞とれたのかな

彼がいてくれたら、もっとうまくできたのかな

終わった瞬間に溢れる彼への思い

悔しさと、

羨ましさと、

苦しさと、

辛さと

色々な負の感情が混ざって、

涙が溢れては止まらなかった