また ページ39
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「…櫻井？」
校門を出て少し歩いた頃、道路の真ん中で櫻井が急に立ち止まった。
平日のこんな時間、俺たち以外誰も通っていない狭い道だが、いつ車が来てもおかしくない。
どうした？と声をかけても反応がなく困り果てているうちに、櫻井はとうとうそのまましゃがみ込んでしまった。
ヤバい、と思った時にはもう遅く、俯いた背中が大きく波打つ。
そして次の瞬間には、バシャッと、コップをひっくり返したような音が耳を割いた。
櫻井の前に、直径40cmくらいの大きな水溜まりができる。
一瞬、何が起こったかわからなかった。
櫻井が吐いたのだと理解すると、頭の中が真っ白になった。
「ゲホッ…ゲホッゴホッ」
「っ…櫻井！」
激しく咳き込む声に、慌てて駆け寄る。
自分でも、驚く程狼狽えていた。
咄嗟の判断でカバンからペットボトルを取り出し、顔を上げない櫻井の背中を強くさする。
さっきも吐いたから、食べた物は入っていないけれど、かなりの量の胃液が吐き出されてしまった。
櫻井の背中はプルプル震えていて、見ているだけで可哀想になる。
「落ち着いたら飲めよ…」
「…ごめん」
そう言って差し出したペットボトルを受け取った櫻井の目には、今にもこぼれ落ちそうな大粒の涙が浮かんでいた。
「…立てるか？」
「分かんない…ごめん…」
瞬きをした拍子で、溜まっていた涙が一粒落ちる。
だけどその目は、またすぐにウルウルになってしまった。
その涙が、嘔吐の苦しさによるものなのか、もっと奥深い感情的なものなのか、俺には分からなかった。
櫻井は、ゆっくりペットボトルの蓋を開けようとする。
なかなか開かないそれを見かねて結局は俺が開けたが。
一度嗽をして、３口ほど飲んだら俯いたままペットボトルを手渡してきた。
長めの前髪に隠れて表情は見えないが、笑ってないのは確かだろう。
一向に立ち上がる気配の無い櫻井の前に背を向けて、俺はしゃがみこんだ。
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おパンツマン(プロフ) - 晴一さん» ありがとうございます！２人の絶妙な距離感を感じ取ってもらえてうれしいです！（＾ω＾）ぜひ最後までお付き合い下さい！ (2015年4月5日 21時) (
レス) id: d7682a8cba (このIDを非表示/違反報告)
晴一(プロフ) - 初めまして晴一と申します(○´∀｀)トラウマを抱えた潤くんの優しさと前に進ませたい翔くん・・少しずつ縮まってく距離が丁寧に描かれててステキです･(つд`｡)･｡E.Tって・・（笑 (2015年4月5日 21時) (レス) id: 5dc01be9b4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱんつ(プロフ) - arashisho2000さん» ありがとうございます！！初コメントすごく嬉しいです！（＾ω＾）ぜひ最後までお付き合いください！ (2015年4月4日 16時) (レス) id: 809e8ec63c (このIDを非表示/違反報告)
arashisho2000(プロフ) - この小説面白いです(*´ω｀*)これからもがんばってください (2015年4月4日 14時) (レス) id: 45272fac90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごぱんつ
| 作成日時：2015年3月31日 19時
