看病 ページ33
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「…何だまつもと、ベッドは空いてないぞ」
いつに増してテンションの低い大野が、面倒臭げに言ってくる。
見舞いだ、と適当にそれを交わし、ベッドのカーテンをそっと開いた。
「…まつ、もと…？」
「おう」
完全に力を抜いて横たわる櫻井は、以前ここであった時と比べ物にならないくらい具合いが悪そうだ。
蒼白の顔を少しだけ動かしてこちらを向くが、それだけでも疲れたように溜息を吐き、固く目を閉じてしまう。
「大丈夫なのか？これ…」
「大丈夫に見えるかよ」
声を抑えた大野が、少々苛立ったように答える。
返す言葉が見つからず、数秒の沈黙が続く中で、櫻井の沈み込むベッドからpipipiと電子音が響いた。
「松本、取り出して」
「お、おう…」
なんの説明もないが、おそらく体温計だろう。
首元までかけられた毛布を慎重にズラすと、肌蹴た制服から真っ白な肌が覗いていた。
なるべく目を背けそっと体温計を取り出し、毛布を元に戻す。
って、女子じゃねぇんだし目背ける必要ねぇじゃん。何やってんだ俺は！
にしてもこいつ、本当に運動部かよ…白すぎるだろ。
「女子でもねぇのに肌が白すぎて思わず目を逸らしてしまっ自分に悶々としてないで早く体温教えろ。」
「は！？意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇよ！…37.2だってよ！」
「顔に出すぎだ思春期ムッツリ野郎、微熱だな。これから上がってくっか…」
図星を指され体温が2度ほど上った気がしたが、苦しそうな櫻井を見てすぐに頭が冷める。
「おめぇ、どうせ授業出ねぇつもりだろ？翔くんみといてくれ」
「あ、あぁ、分かったよ…」
俺で役に立てるなら喜んでだ。
眉を寄せ、昨日の試合の時とは別人のように眠る櫻井を見るのは心が痛んだ。
授業開始のチャイムはとっくになり終え、生徒が誰も歩いていない廊下は静まり返っている。
自然と静かな保健室には、櫻井の苦し気な呼吸だけが木霊していた。
大野を見ると、何やら難しそうな顔で書類の束と向き合っている。
俺はぼうっと、櫻井の顔を見つめていた。
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おパンツマン(プロフ) - 晴一さん» ありがとうございます！２人の絶妙な距離感を感じ取ってもらえてうれしいです！（＾ω＾）ぜひ最後までお付き合い下さい！ (2015年4月5日 21時) (
レス) id: d7682a8cba (このIDを非表示/違反報告)
晴一(プロフ) - 初めまして晴一と申します(○´∀｀)トラウマを抱えた潤くんの優しさと前に進ませたい翔くん・・少しずつ縮まってく距離が丁寧に描かれててステキです･(つд`｡)･｡E.Tって・・（笑 (2015年4月5日 21時) (レス) id: 5dc01be9b4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱんつ(プロフ) - arashisho2000さん» ありがとうございます！！初コメントすごく嬉しいです！（＾ω＾）ぜひ最後までお付き合いください！ (2015年4月4日 16時) (レス) id: 809e8ec63c (このIDを非表示/違反報告)
arashisho2000(プロフ) - この小説面白いです(*´ω｀*)これからもがんばってください (2015年4月4日 14時) (レス) id: 45272fac90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごぱんつ
| 作成日時：2015年3月31日 19時
