俺が ページ16
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部員の多くないこの部は、三年が全員レギュラーで、残りを一、二年から数名選抜する。
この年の三年生は例年に比べて数が多く、二年から選ばれるのはたった一人だった。
選ばれたのは、斗真。
当然と言えば当然なのだが、俺はそれがとてつもない屈辱に感じられたのだ。
試合の敗因は、斗真のパスミス。
あいつはガキみたいに泣き喚いて、それを先輩が優しく宥めていた。
「ずみまぜん、俺のぜいで…」
「泣くなって斗真、お前はよくやってくれたよ」
「そうだぜ…お前がいなかったら、ここまでだって勝ち上がってこれなかった」
あいつは、先輩からも可愛がられていた。
同級生からも後輩からも慕われ、あいつの周りにはいつも人が集まって行く。
俺はいつも、それを後ろから眺めているのだ。
みんなが三年生を胴上げし、キャプテンが後任の挨拶をするところを、俺だけが冷めた目で見ている。
もし俺が選手に選ばれていたら、どうなっていただろう。
もし選ばれたのが俺で、あそこであんなミスしなければ、この胴上げも、部長の涙も、まだ先のことだったかもしれない。
もしアイツが、斗真がいなかったら、俺は、選手に選ばれていただろうか。
エースと謳われ、部員に慕われ、次期部長になるのは、俺だったのだろうか。
「あとは頼んだぞ、斗真」
「はい！」
真横で交わされた会話が、頭の中を離れなかった。
三年生が引退した次の日、一、二年生同士の試合が行われることになった。
カタチばかりの、キャプテンを決める試合だ。
キャプテンなんて、斗真に決まっているのに。
俺は、自ら斗真とは別のチームを選んだ。
斗真とゲームをするのは、久しぶりである。
まだ、こんな関係になる前は、いつも二人でゲームをしていた。
もうあの頃に戻ることはないが、せめて俺はこの試合で全力を尽くそうと思う。
全力で斗真に向き合い、それでダメなら、きっと俺も諦めがつく。
「潤、よろしくな！」
「おう、手ぇ抜くなよ」
斗真の爽やかな笑顔に、いつもより少しだけ清々しい気分で俺は試合に臨んだ。
事がおきたのは、この後である。
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おパンツマン(プロフ) - 晴一さん» ありがとうございます！２人の絶妙な距離感を感じ取ってもらえてうれしいです！（＾ω＾）ぜひ最後までお付き合い下さい！ (2015年4月5日 21時) (
レス) id: d7682a8cba (このIDを非表示/違反報告)
晴一(プロフ) - 初めまして晴一と申します(○´∀｀)トラウマを抱えた潤くんの優しさと前に進ませたい翔くん・・少しずつ縮まってく距離が丁寧に描かれててステキです･(つд`｡)･｡E.Tって・・（笑 (2015年4月5日 21時) (レス) id: 5dc01be9b4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱんつ(プロフ) - arashisho2000さん» ありがとうございます！！初コメントすごく嬉しいです！（＾ω＾）ぜひ最後までお付き合いください！ (2015年4月4日 16時) (レス) id: 809e8ec63c (このIDを非表示/違反報告)
arashisho2000(プロフ) - この小説面白いです(*´ω｀*)これからもがんばってください (2015年4月4日 14時) (レス) id: 45272fac90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごぱんつ
| 作成日時：2015年3月31日 19時
