櫻色 ページ2
.
「…知り合いか？」
「ええまあ…うわ、ちょっと！走ってくんなバカ！」
「何だよ連れないなー、ニノ何組？」
「3組、アンタは2組でしょ？」
「そ！また翔ちゃんと一緒なんだ！」
「知ってるよあんだけでかい声で叫んでりゃ」
俺は呆然と、彼らを見つめる。
なんだか、完全に置いてけぼりにされてしまった。
と言うかニノが俺以外の奴とこんなに仲良さげに話す姿は初めて見た。
いや、思えば俺は1年の時出席日数ギリギリ分しか学校に来ていないのだから、俺がいない日に別の奴と仲良くなったと考えたら当然のことか。
「あ、ごめんなさいね、コイツ同じ中学なの。櫻井くんと仲良くなって調子乗ってるけど、かなりバカだから」
「バカって言うなよ！てか調子乗ってねぇし！あ、きみニノの友達？」
俺より少し身長の高い彼は、独特な笑い方で俺に笑いかけてきた。
その急な明るさに、少し戸惑う。
「まーさーきー！急にいなくなるなよー！」
その時、誰かが猛スピードで駆けてきたかと思うと、そのまま長身の男に飛び付いた。
長身の男は不可抗力で俺の方に倒れそうになる。
反射的に睨み付けると、それはかなり意外な人物であることが分かった。
「翔ちゃーん、ごめんごめん！」
…サクライショウだ。
身長は俺と同じか少し低いくらい。
近くで見ると、顔立ちは少し中性的なイケメンで、いかにもモテ男の雰囲気だ。
思わずガン見していると、こちらに気付いた櫻井が爽やかな笑顔を向けてきた。
「あれ、松本じゃん、同じクラスだな！」
「おお…イッケメン」
隣にいたニノが小さく呟く。
そのくらい、今の笑顔は輝かしかった。
擬音をつけるとするなら、キラキラが相応しい。
「あ、そうだ雅紀！俺おーの先生に呼ばれてんの、付いてきて！」
「いいよ、じゃあ早く行かないと！」
じゃあ松本、教室でな！
櫻井は、そう言い残しすと颯爽と去っていった。
…嵐のような奴らだった。
残された俺とニノの間には、なんとも微妙な空気が流れていた。
「いやぁ、ありゃ相葉が調子乗るのも分かるわ」
ニノが笑ってそう言ったのに、なぜかいい返事が出て来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 383人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おパンツマン(プロフ) - 晴一さん» ありがとうございます！２人の絶妙な距離感を感じ取ってもらえてうれしいです！（＾ω＾）ぜひ最後までお付き合い下さい！ (2015年4月5日 21時) (
レス) id: d7682a8cba (このIDを非表示/違反報告)
晴一(プロフ) - 初めまして晴一と申します(○´∀｀)トラウマを抱えた潤くんの優しさと前に進ませたい翔くん・・少しずつ縮まってく距離が丁寧に描かれててステキです･(つд`｡)･｡E.Tって・・（笑 (2015年4月5日 21時) (レス) id: 5dc01be9b4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱんつ(プロフ) - arashisho2000さん» ありがとうございます！！初コメントすごく嬉しいです！（＾ω＾）ぜひ最後までお付き合いください！ (2015年4月4日 16時) (レス) id: 809e8ec63c (このIDを非表示/違反報告)
arashisho2000(プロフ) - この小説面白いです(*´ω｀*)これからもがんばってください (2015年4月4日 14時) (レス) id: 45272fac90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちごぱんつ
| 作成日時：2015年3月31日 19時
