拾漆 ページ18
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柱となり数日経ったある日
私は義勇と共に狭霧山を訪れていた
と言うのもあの日、私が鱗滝さんに会いたいと言い出したのがきっかけである
私は記憶を失くしたものの、身体は呼吸を覚えていた
記憶に無いとはいえ、私を育ててくれたのは間違いなく鱗滝さんだから
私は生きている、という事実と柱になったこと、そして感謝の意を伝えたいと思ったのだ
冨「先生」
鱗「久しいな、義勇」
冨「お元気そうで何よりです」
鱗「ところでその子は?」
天狗の面を付けた鱗滝さんの視線は義勇から私に移った
なんて言えばいいのだろう
冨「…大丈夫か?」
『あ、えっと…梅影、Aです
お久しぶり、です…』
大きく下げた頭を戻すと、鱗滝さんは固まっていた
冨「…先生、」
鱗「A…なのか…?」
『は、はい…』
鱗「…よく戻ってきてくれた」
天狗の面の隙間から涙が零れた
それから3人で囲炉裏を囲み、これまでの話をした
もちろん記憶を無くしたことも話したが、鱗滝さんはそれでも自分の子供に違いはないと言って温かく包んでくれた
なんだか懐かしくて涙が出た
それを見てバタバタと慌てる義勇さんのお陰ですぐに引っ込んだけど…笑
まだ会って少ししか経ってないのに
あぁ自分の居場所はここなんだ
と思った
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作者名:すー | 作成日時:2021年10月18日 22時