21話,幼なじみはカンペキ ページ21
「……お、おまたせ」
そう言いながら教室に入ってきたのは久々知だった。
ああなるまで久々知をあまり視界に入れないようにしていた私はまったく知らなかったけど、
彼は弁当ではなく毎日豆腐のお供に購買で何かしら買って食べているらしい。
「……すごい汗だね。ハンカチある?」
「ない……え、貸してくれるのか? ありがとう。洗って返すよ」
そう言いながら久々知は兎の刺繍入りのファンシーなハンカチで汗をふき取った。
……なんか、うん。イケメンって凄いな。
どんなハンカチ持ってても許される感じあるよね。
「……それにしても、みんな弁当なんだね。自分で作ってるのか?」
「いや、母さんに作って貰ってる」
南の声に俺も、私も、と続ける中、尾浜は自炊だと言う。
尾浜は言わばリアルパーフェクトヒューマンだ。
ダンスみたいな運動が得意だと思えば勉強もそれなりにこなすし、顔だって整っている方だ。
まあ、その裏には努力というものがあるから、憎みきれないアレがあるんだけども。
「良かったなA。料理出来なくても尾浜がなんとかしてくれるぞ!」
「カレー作ろうとしてダークマターになって以来、
台所に立つの禁止されてるから本当に助かる! ありがとう!」
いや、喜ぶなよ。Aと俺からかわれてんだぞ、と苦言を零す尾浜。
だって本当に尾浜の料理の方が絶対美味しいもん。食べたことないけどダークマターよりマシなことは明白だ。
「カレーでダークマターって……何したらそうなるんだ」
ため息をついた久々知に、私は言い訳をする。
いや、レシピ通りやったと思ったんだけどね。
なんか…………うん。だめだったんだよとにかく。
強いていえば火加減について怒られた気がするけど、台所に立つのを禁止されたので改善する余地もなかったよね。
25人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小桜(プロフ) - 勘右衛門とくっつくと思ってたらまさか……! ハッピーエンドっぽいけど何か悲しい…? でもストーリー凄く良かったです! (2022年9月15日 18時) (レス) @page50 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
竹林寺(プロフ) - でる太さん» いつまでも待ち続けます!頑張ってください! (2019年10月4日 2時) (レス) id: e33c68ca3b (このIDを非表示/違反報告)
でる太(プロフ) - 竹林寺さん» 感想ありがとうございます!新作については気長に待っていてくださると嬉しいです! (2019年10月3日 7時) (レス) id: c96608a168 (このIDを非表示/違反報告)
竹林寺(プロフ) - うおおおおおおお…切ない…何か勘右衛門可哀想になってきた…とっても面白かったです!新作ももしよければ作ってください!! (2019年10月3日 1時) (レス) id: e33c68ca3b (このIDを非表示/違反報告)
でる太(プロフ) - 空さん» 感想&応援ありがとうございます!かっこいい尾浜を目指しているのでとても嬉しいです (2019年8月11日 6時) (レス) id: c96608a168 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:でる太 | 作成日時:2019年7月16日 16時