【イナズマイレブン】太陽が込めた言葉 (ページ30)

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179.お刺身ページ30

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綱海は私達に食べさせようとしてカジキマグロを釣ってきてくれたらしい

お皿に盛るのは釣られたばかりのカジキマグロのお刺身と貝

刺身醤油にちょん、と付けて口に含む

「ん。美味しい」

「やっぱり勝利の後のお刺身は最高っス」

「おい」

なんの当て付けだ、と言うと何もないっスよ、と返された

今度は何で勝とうか考えていると隣で火を吹く壁山

壁山はどうやら木暮からワサビを大量に盛られたらしい

「いいねえ、勝利の味。美味いか?」

「か、辛すぎて分かんないっス…」

「Aちゃん、かなりいい性格してるね…」

「有人くんにも言われた。さて、私は敗北の味とやらを頂きますか」

二口目、口に含むと口のなか一杯に広がる刺激と鼻のツーンとした爽快感

慌てて口を抑える

「Aちゃん?」

「し、士郎くん…」

ギュッと士郎くんのジャージを掴む

何かに掴まっていないと、抑えている涙がこぼれてしまいそうだった

「え?気持ち悪いの?」

首を振って違うと訴える

口のなかに残っていた物を一気に呑み込む

「み、水が、欲しい…」

「え?ああ、分かった」

どうぞ、と水を渡してくれる

一気に飲み干し、涙を拭う

「敗北の味だった…」

「え?」

「木暮、ちょっとこっち来い」

「やーだね!うっしっし」

「木暮くん!!」

結局、勝利の味も敗北の味も同じものだった

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