176.運動神経 ページ27
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「さあ、練習再開だ!」
「よし、行くぜ」
綱海はボールを蹴り、円堂はパンチングで防ぐ
「なんてキック力だ…」
「すっげえ…凄いじゃないか、綱海!」
「だろ?」
私は有人くんに近づいて尋ねる
「有人くんは彼に何を求めてるんだ?」
「確証はないが、まあ見ておけ」
「ま、わざわざ挑発させてまでサッカーやらせるんだから、何かあるんだろうけど」
「ノリノリだったな」
「挑発するの楽しいし?」
「いい性格の持ち主だな」
それほどでも、と有人くんは褒めてないが褒め言葉として受け取っておこう
綱海は大口を叩くが、やはりサッカー初心者
動くボールにタイミングが合っていない
「タイミングをはかれ。ボールは常に動いてるんだ」
「タイミングか…」
有人くんのアドバイスで綱海はボールを止めまくる
「はい、土門交代」
「ご指名かよ。つうか驚いたな。もう出来るようになってるよ」
「並の運動神経じゃないわね。はい」
「ありがと」
秋からドリンクをもらってグビッと飲み込む
沖縄だからか、余計に暑さで喉が渇く
「並の運動神経じゃないと言ったら、もう一人…」
「……何」
皆の目線が私に集まる
「Aは元からサッカー上手かったの?」
「……そんなわけないだろ」
「あら、そうなの?」
「言っとくけど、私はエイリア学園の中で一番下手くそだったから」
「「「ええ!?」」」
「…何でそんなに驚くんだ」
口が塞がっていない秋達に、ガシガシと頭を掻いて、昔の話だからな、と言うとホッと胸を撫で下ろしていた
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作者名：汎用うさぎ
| 作成日時：2017年7月23日 13時
