検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:495 hit

. ページ8

.




書類の手直しを手伝って貰う礼として約束を取り付けた俺は、気分が高揚していた。

俺以外に人が居る事等忘れてガッツポーズ。

控え目に中也さん…?と声を掛けられてハッとする。



「あの…あんま云いたくないんすけど、態とミスしてAさんと話をする機会を作るって、逆効果じゃないですかね。」

「結果的にデートに誘えただろ!それに、こうでもしねェと彼奴と話す機会なんて無いに等しいんだよ!」

「携帯で連絡取り合う、とか…。」

「樋口。手前は分かってねェ。彼奴は仕事の虫だ。仕事中に携帯を見る事はねェ。俺が連絡しても返信はねェ。云わせンなッ!」



顔を片手で覆って落ち込む素振りを見せる。

では中也さんはあの女に嫌われていると。
等と芥川の容赦の無い言葉が俺の胸に突き刺さる。



「芥川、一応云っておくが彼奴はお前より上だからな。言葉遣いには気ィ付けとけよ。」

「…はい。」

「じゃあ何でAさんは中也さんにはタメ口なんすか?」

「俺より歴が長ェのと、俺の元教育係りだから。つっても外では幹部呼びだし敬語になる。きっちりしてんだよ、彼奴は。」



いつからだ。

彼奴が俺の名前を呼ばなくなったのは。

いつからだ。

俺が彼奴の名前を呼ばなくなったのは。

また、聞きてェな。

彼奴の口で、声で、俺の名前を…。



.

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2024年2月5日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。