元教育係り×元教育され係り (ページ3)

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「主等、ちゃんと仲良くやっておるのか。」

「姉さん、私は以前、仲がいいという言葉を調べたけど"互いに打ち解けていること、親しいさま"とあったわ。私達がそんな風に見える？」

「手前が細かい事までグチグチ云ってンだろうが。仲良くなろうとも思ってねェのによ。」

「貴方と仲良くなる必要なんて無いからでしょ。」

紅葉を挟んで口喧嘩を始めた二人を止めたのは勿論、紅葉しかいない。

しかし、そんな物で止まる二人ではないのを紅葉は知っていた。

「私の！貴方への教育係りは終わったの！閉業！クレームは受付ませーん！」

「腹立つ…ッ！」

「仲が善いのか悪いのか分からぬのう。」

ワイングラスを片手に優雅に嗜む紅葉の姿にAは目を惹かれ、自分もと同じように真似をしてワインを喉へ通した。

「私、姉さんみたいになりたい。」

「嬉しい事を云ってくれるではないか。」

「手前が姐さんみたいになれるかよ。そもそも品が無ェ。まだガキの時のまま成長してりゃ見込みはあったろうがな。今じゃ…はあ…。」

「そのため息は何。」

「止さぬか二人とも。喧嘩をするなら表でせよ。」

「「……。」」

表でしろという言葉に漸く口を閉じた二人。

紅葉はやれやれと云ったように、首を小さく横に振る。

「ちと二人で心労を癒やしてこい。仕事はそれからじゃ。」

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