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平方君の誘いを断って再びビルに入って幹部の元で仕事を進めようと足を動かしている時だった。
微かに聞こえた聞き覚えのある声。
「正直、参ってる…。」
「相談乗りますよ?この事を知ってるのは私だけですし、幹部の力になりたいです。」
「そう云ってくれるだけで助かる。」
廊下で話しているのは中原幹部と桜庭さん。
「今度食事しませんか?勿論、お酒は無しで。」
「いや、ああ、……頼む。」
……私は今、何を聞いた?
桜庭さんの食事の誘いを中原幹部が受けた…?
中原幹部は私に断って欲しかったって云ったのに、自分は桜庭さんのお誘いに乗るの…?
何が何だか分からずに私はその場から離れ、また夜の澄んだ空気の中に足を踏み入れた。
ところどころの街灯が照らす街は綺麗に見えた。
「もし、そこのお嬢さん。そのような浮かない顔でどうされたのですか?」
「…いえ、特には。」
「私が家まで送りますよ。」
「間に合ってます…。」
顔を俯かせていたせいでどんな男性だったのかもよく分からなかった。
私は家路へと歩き家に着いて中へと入ると布団に身を投げた。
横になると涙が伝って髪を濡らし、シーツを濡らす。
酷く頭が痛かった。
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鈴神(プロフ) - 本当に本当に今読ませて頂いてる唯一の夢小説ですが情報過多すぎて、、このお話に激重感情抱いてます、、二人が幸せになりますように。 (11月23日 20時) (レス) id: c20e30a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 初コメ失礼します!中也さんイケメンとキャッキャしてたら、まさかの展開でビックリです……!これからどうなっちゃうの〜〜!?という気持ちがいっぱい過ぎて……。主様のペースで更新頑張って下さい!楽しみにしています! (11月23日 20時) (レス) @page32 id: 1836c9208c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年11月10日 12時