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太宰さんに諸々の話をすると、一番に驚かれたのが私がお付き合いしていた相手についてだった。
「中也とAちゃんがぁ?最悪。わー、最悪。」
「何が最悪なんですか。」
「そりゃそうでしょ。可愛がってた部下を蛞蝓に取られてさ、私に懐いてたペットが知らない内に他人に懐いてたようなもんだよ。」
「…可愛がられてた記憶もありませんし懐いてもいません。更にはペットでもありません。」
「そういうとこ、気に入ってたんだけど。」
やんわりと笑う太宰さんを見て、今までの違和感の正体がなんとなく分かった。
「太宰さん、変わられましたね。」
「そう?」
「はい。穏やかになられました。」
一度目を見開いてから伏せる彼はもう大人だ。
そして私の言葉を肯定する。
「表の世界はなかなかいいものだ。」
「そうですか。」
「君も災難だね。外の世界に出たはいいものの、裏社会で身を削ってる。それは君がしたかった事かい?」
「…。」
さて、と呟く彼は前のめりになって私の手をとる。
「本題に入ろう。君のお父さんが武装探偵社に君を探して引き渡して欲しいと依頼してきた。」
「…え。」
「一刻も早く横浜から出るんだ。」
横浜から出る…?
でも、此処は私にとって大切だと思える街で大切な出会いもあった。
そんな簡単に捨てる訳には…、
なんて考えてはいても彼の拒絶の目と言葉が思い出される。
「…もう、どうでもいいです。」
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鈴神(プロフ) - 本当に本当に今読ませて頂いてる唯一の夢小説ですが情報過多すぎて、、このお話に激重感情抱いてます、、二人が幸せになりますように。 (11月23日 20時) (レス) id: c20e30a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 初コメ失礼します!中也さんイケメンとキャッキャしてたら、まさかの展開でビックリです……!これからどうなっちゃうの〜〜!?という気持ちがいっぱい過ぎて……。主様のペースで更新頑張って下さい!楽しみにしています! (11月23日 20時) (レス) @page32 id: 1836c9208c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年11月10日 12時