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中原幹部に振られたその日の仕事はなかなか手につかず、琴にも心配を掛けてしまう程に酷く、早退させて貰った。
「マフィア辞めて、真っ当に生きようかな…。」
目の前の赤信号。
今渡れば私は…、
「っ、何をしている!!」
「…え?」
車からの警笛と運転手からの罵声、更には私の腕を掴む男性。
「全く…。自 殺嗜好は一人で十分だと云うのに…。奴ならともかく目の前で死にに行こうとする人をみすみすみ見逃す訳にはいかん。」
「……っ。」
「なっ、ど、如何した!!?何故泣いて…!?」
「ごめん…、なさいっ。」
もう立って居られず、その場に座り込む私と目線を合わせて男性が心配そうに私を見る。
咳払いをして、兎に角付いてこいと手を差し出されて私はその手を握った。
男性に付いていくと武装探偵社と書かれていた扉を開き、応接間へと案内される。
「武装、探偵社…。」
「ああ、俺は此処に勤めている国木田だ。まずは先程の愚行の動機について伺いたい。」
「…いえ、ただ…、居場所が無いなら死んでもいいかな、と。そう思っただけです。」
「居場所…。何があった。」
「…恋人に振られたんです。俺の前から消えろ、と。」
「それはとんだ大莫迦野郎だねぇ、Aちゃんみたいな可愛い子を振るなんてさ。」
「太宰っ!貴様、」
「まあまあ!此処は私に任せておくれよ。彼女は私の知り合いでね、まあ、昔馴染みとでも云うべきか。彼女の事は君より知っているよ。」
太宰さんの達者な口のお陰でこの場には私と太宰さんだけとなった。
如何したの?と優しく尋ねてくる彼に少し安心した。
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鈴神(プロフ) - 本当に本当に今読ませて頂いてる唯一の夢小説ですが情報過多すぎて、、このお話に激重感情抱いてます、、二人が幸せになりますように。 (11月23日 20時) (レス) id: c20e30a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 初コメ失礼します!中也さんイケメンとキャッキャしてたら、まさかの展開でビックリです……!これからどうなっちゃうの〜〜!?という気持ちがいっぱい過ぎて……。主様のペースで更新頑張って下さい!楽しみにしています! (11月23日 20時) (レス) @page32 id: 1836c9208c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年11月10日 12時