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仕事モードに戻った橘は背筋をきっちりと伸ばして、失礼しましたと腰を折って礼儀よく出て行った。
「あー、あっぶねェ…。」
手の甲を額に当てて上を仰ぐ。
橘に触れた手がこれ以上を欲していた。
やりすぎて嫌いになられるのだけは勘弁だ。
でも、もっと触れていたかった。
男には無い、丸みを帯びた柔らかい身体。
キスも、良かった…。
深くすれば必死に逃げようとする舌を追い掛けるのは心底楽しかった。
何されてるのか分からない、みてェな顔が堪らなかった。
「…もう会いてェ。」
今度は飲み干された紅茶、食べられた菓子に笑みが溢れる。
橘は一体、どんな菓子が好きだろうか。
これから知っていけばいい。
好きなもの、嫌いなもの、好きな事に、弱いとこ。
まだまだ彼奴の事を知る機会は沢山ある。
書類仕事が落ち着いたら二人で出掛けて、周りには俺の橘だって事を見せつけて。
そう考えると今から楽しみで仕方がない。
片付けをしてテーブルの上は綺麗になり、俺も自分のデスクに座って仕事を再開させた。
暫くして、ノックされる扉に返事をすれば入ってきたのはこの組織の頂点、首領であった。
俺はソファへと首領を通した。
「中也君、お邪魔するよ。」
「わざわざ俺の所に…、如何かされましたか。」
「いやね、一寸君に頼み事があるんだけど。」
「何なりと。」
頼み事と云っても首領の命令であれば俺は任務を遂行するのみ。
首領から課された俺の任務は耳を疑う内容だった。
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鈴神(プロフ) - 本当に本当に今読ませて頂いてる唯一の夢小説ですが情報過多すぎて、、このお話に激重感情抱いてます、、二人が幸せになりますように。 (11月23日 20時) (レス) id: c20e30a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 初コメ失礼します!中也さんイケメンとキャッキャしてたら、まさかの展開でビックリです……!これからどうなっちゃうの〜〜!?という気持ちがいっぱい過ぎて……。主様のペースで更新頑張って下さい!楽しみにしています! (11月23日 20時) (レス) @page32 id: 1836c9208c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年11月10日 12時