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教えて貰ったあの時の出来事。
まさか、私からまだお付き合いしていない中原君にキスを要求してたなんて…っ。
立原君が云ってた事は本当だったんだ…。
それなら覚えてないと云われたら怒るに決まってる。
「申し訳ございませんでしたぁ!!」
「それ聞いた。」
「でも、なんでその…、キスしたの…?振り払ったり、拒否したり…。」
「…そン時には既に落ちてンだよ。酒も入ってっし…、したらしたで『せーかい』なんて云いやがる。持ち帰ろかと思ったぜ。」
そんな、私が大胆に…。
「もう中原君の前でお酒は飲みませんッ!!」
「逆だ。俺の前でだけ飲め。」
「恥ずかしい…っ。」
顔を覆い隠す手を握られ、そして指が絡まる。
どきんと心臓が跳ねた。
「すっげェ可愛かった。またしてくれ。」
「頑張る…。」
「……俺も頑張る。」
何を?とは聞かなかった。
聞いてはいけない気がしたから。
暫しの沈黙。を破ったのは中原君。そろそろ仕事に戻るとの事で椅子から立ち上がり会計に向かう。
店主と何やら話をした後、また明日と云って店を出た。
彼が出て行った姿が様になっており、私はぽーっと店のドアを眺めていた。
「橘ちゃん、彼氏が会計済ませて行ったから今日のお代はいらないよ。」
「え…。」
「格好いいね、あんなスマートに彼女の分も払っちゃうなんてさ、相当橘ちゃんが好きなんだなあ。」
店主の言葉に嬉しさと一緒に恥ずかしさが込み上げてくる。
明日、ちゃんと御礼を云わなければ。
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鈴神(プロフ) - 本当に本当に今読ませて頂いてる唯一の夢小説ですが情報過多すぎて、、このお話に激重感情抱いてます、、二人が幸せになりますように。 (11月23日 20時) (レス) id: c20e30a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 初コメ失礼します!中也さんイケメンとキャッキャしてたら、まさかの展開でビックリです……!これからどうなっちゃうの〜〜!?という気持ちがいっぱい過ぎて……。主様のペースで更新頑張って下さい!楽しみにしています! (11月23日 20時) (レス) @page32 id: 1836c9208c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年11月10日 12時