244話 ページ45
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皆、美味しい美味しいと云いながら食べてくれる。
その言葉に内心ホッとし、龍ちゃんや銀ちゃんにも味はどうかと訊いてみた。
「美味です。」
「とても美味しいです。」
「良かった。沢山食べてね。」
はい、と二人から返事を貰って私も料理を口に運ぶ。
目の前に座る中也は頬杖をついて不満顔で、俺にはこんなのした事ねェくせに…と拗ねていた。
「…美味しくない?」
「美味ェよ!けど、そうじゃねェ…。」
食事を再開させた中也は食事の隙間に小さく呟く。
「器の小せェ男で悪かったな。」
自虐ともとれる言葉に私は小首を傾げる。
そして先程の事は無かったかのように冷蔵庫から麦酒の瓶を取り出して、飲むぞ!と気合い十分。
皆にも振る舞えばあっという間に空瓶と化す。
「中也は程々にね。」
「るっせェ!飲まなきゃやってられるか!」
「姉上は飲まれないのですか?」
「ええ、私は普段飲まないから。」
それでも中也よりは強いけど、と心の中で留める。
私はアルコールも入り気分が上がっている皆を見ているだけで十分楽しい。
「三上さん〜!中也さんとはどんなお付き合いをされてるんですかあ〜?」
「どんなって…。家に居る時は寛いだり休みの日は出掛けたり?そんな変わった事はしてないわ。」
「そンだけじゃねェだろ〜?ちゅーもえっちもしてるつっとけェ!」
「中也黙って。」
中也は既に出来上がってしまい、樋口さん以外の人達はまだ意識がはっきりとしているので、聞かなかった事にしてくださいと頭を下げた。
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年5月28日 11時