237話 ページ38
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「手前は声掛けられ過ぎなンだよ!」
「いい女だから当然よね。」
「腹立つ…。」
あれからもう一度、別の男達に声を掛けられた。
今はカフェに入って目の前の洋菓子に夢中な私。
ふにゃりと表情筋が働かないのは仕方ない。
「でも今回は身長の事は云われなかったわね。少し伸びたからかしら。」
「5cmも伸びたら違うわな。」
「治にはまだからかわれてるくせに。」
「彼奴は180超えとか舐めてンだろ!縮めッ!」
私が思うに、と何故中也がそこそこの身長に留まってしまったのか考察し、煙草を辞めたのと睡眠が取れるようになったから、と云えば中也もそこは納得。
あとは、と中也にあまり異能力を使わなくなったんじゃない?と確認を取ると顎に手を当てて、思い出しながら肯定。
「自分にも重力っていう圧をかけてたから伸びなかったのかなって。」
「じゃあ使わなかったらまだ伸びるか!?」
「もう無理だと思う。」
「ンだと手前ッ!!希望を捨てンな!!」
マフィアが希望なんて言葉を云ってるのが可笑しくて、くすくすと笑う。
二十三じゃ厳しいわよ、なんて云ったら怒るのでしょうね。
「ま、Aを少し見下ろせるのもAに見上げられンのもいいな。」
「正面にあった顔をわざわざ見上げないといけないのは少し面倒よね。」
「手前が死ぬ時は俺が殺してやる。」
「苦しまずに死にたいものだわ。」
残りの洋菓子を中也にも食べさせながら完食。
また来ようと約束してカフェを出た。
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年5月28日 11時