97話 ページ48
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三上の捜索は未だ続けられていた。
目撃情報から色々洗ったりしたが目ぼしい情報は見つからない。
そんな時に乱暴に開けられる武装探偵社の扉。
「邪魔するぜ探偵社。首領の命により情報をくれてやる。手前等と手を組むなんざ些か気に食わねェがマフィアとしても放っておけねェ事態になった。」
中へとずかずか入り込んできたのは敵対しているポートマフィア幹部の中原中也と芥川、樋口、黒蜥蜴。
「手を組む、だと?」
「訊いてねェか?お宅の社長には話が通っている筈だが、手前等組織は情報共有も儘ならねェみたいだな。」
そこへ探偵社の社長である福沢が、よく来られた、そう云って彼らを迎え入れた。
「これより探偵社はポートマフィアと協力し、三上の奪還及び二名の異能力者を捕らえよ!」
三上の奪還という言葉に中原はピクリと眉を動かした。
「三上の奪還?どういう事だそりゃ。」
「言葉通りさ、中也。彼女は拐われ生死不明、情報も少なすぎて行方も分からない状態だ。」
太宰は淡々と三上の事について告げる。
監視映像が残ってるから見るかい、とポートマフィアに彼女が拐われる瞬間の映像を見て驚愕する。
誰もがこの場にいる太宰に視線を向けた。
「映像に映っている私は私ではない。私に成りすました異能者が彼女を誘拐。現に私ではないと知った彼女は咄嗟に相手と距離を取り、その後、後ろからもう一人に眠らされた。」
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年4月25日 22時