検索窓
今日:29 hit、昨日:15 hit、合計:21,385 hit

92話 ページ43

.




業務中、携帯がメールの受信を知らせる。

誰からか確認すると今まで頭を埋め尽くしていた三上からのメールに胸が高鳴った。

にやける口元を抑えながら内容を見る。

一枚の写真と、こいつムカつくの文。



「ぶっ。」



太宰の高すぎる位置に結われた髪。

三上の仕業だろうが、仕事中じゃねェのかよ。

思わず笑ってしまって、返信してやろうと指を動かしてる最中、はた、と我に返る。

俺は三上から離れると決めた。

返信しようとした内容を全て消して、初めて三上から届いたこのメールを静かに削除した。



「あー、くそ。」



書類に埋め尽くされた机に顔を埋めると、扉がノックされて、芥川ですの声に今はあまり会いたくねェ奴だなと思いつつ入るように促した。



「失礼します。」

「おう、どうした。」

「資料を届けるよう尾崎さんに仰せ付けられました。」

「姐さんから?悪ィな、確かに受け取ったぜ。」

「それでは僕はこれで。」



部屋を出たのを確認して、姐さんからだと云う資料を茶封筒から取り出して目を通す。



「…スイーツ五十種。…定額食べ放題。恋仲限定割引…。」



俺は携帯を取り出し直ぐ様姐さんへと電話をかけた。



「あの、資料受け取ったンすけど、何ですこれ。」

『Aとの逢い引きにどうかと思ってのう。』

「…すみません、余計なお世話です。」



重要な要件では無いんですね?と確認。



『まあ聞け。別件もあるでのう。マフィアにあまり関係無いのじゃが、最近、ちと厄介な異能力者がこの横浜に出没しとる。』

「厄介な異能力者…?」

『そうじゃ。能力の詳細はまだ分からぬ。中也ならまあ、大丈夫じゃろうが気を引き締めよ。』

「分かりました。」



プツリと切れた電話。

だん、と机を叩いて俺は思った。



「そっちの方が重要だろ…ッ!」



.

93話→←91話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治 , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年4月25日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。