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快斗side



「ふっふっふっ。どうよ!」

「……どうよって言われてもな。」



急にキッチンを借りたいと言うから好きに使えと言ったのはいいが……。

なんだ、この黒い液体は…。



「さ、ご飯にしましょ。」



手を合わせて嬉しそうに笑うAにこれはなんだと聞きそびれて恐怖と一緒にゴクリと唾を呑み込んだ。

スプーンで一口掬い、まじまじ見る。

期待を向けられた目で見られたら覚悟を決めるしかないわけで……。



「っ……。」

「どう?美味しい?」



美味い。

そう言ってやりたいのは山々だが、溢れ出そうな口元を手で覆ってトイレに駆け込んだ。

戻ってきてみればAの伏せられた目を見て、しまった、と内心焦る。



「A、さん…?」

「吐く程、美味しくなかった…?」

「あ、いや…美味かった、よ?」

「……嘘。」



はい、嘘です。

とは言えない。言えば蹴りが跳んできそう。



「っ……!!」



Aも一口入れるとすぐに口を手で覆って俺と同様にトイレに一直線。戻ってきたAは涙目。

……少し、可愛いと思っちまった。



「ごめんなさい。料理もろくに出来ないなんて…。」

「ま、まあ気にするなよ。」

「だって…っ。せっかく、練習したのに…。」



ついには涙が溢れた。

俺は再び意を決して皿によせられたご飯にかかる黒い液体を全て胃に流し込んだ。



「別に、食えねえ訳じゃねえし……。」

「快斗…。ありがとうっ。」



…くっそ、可愛いじゃねえか!!



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橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 19時) (レス) @page16 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです。頑張ってください! (2019年5月6日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ豆 - んんんんん!続編よっしゃぁぁぁぁ! (2019年5月1日 3時) (レス) id: 234ae7fda5 (このIDを非表示/違反報告)
魔理沙 - 続編ありがとうございます! 続きも気になります 更新無理のない範囲で頑張ってくださいね! (2019年5月1日 2時) (レス) id: 28703d16e4 (このIDを非表示/違反報告)
まりね - やったあああ続編!!! (2019年4月25日 23時) (レス) id: 392a87bd96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2019年4月20日 18時

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