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建物の隙間に降り立ち、ゆっくりと下ろしてくれた。

向き合い、相手の顔を見れば目をそらす。言葉が出てこなくて沈黙が続く。



「ごめんなさい…。」

「……おめぇが謝る事ねえだろ。」



咄嗟に出た言葉が謝罪。

それに対して謝る必要はないと言ってくれるのだけど、やっぱり私より彼の方が辛いはずだ。



「快斗…。私を、奪って。」

「……。」



悲しみを孕んだ目で私を見る。

スルリと頬に滑る彼の手のひらが、顎へと移動し、グッと上へと持ち上げられた。

ゆっくりと彼の顔が近づき、そっと目を閉じた。



「今回、送るのはおめぇにじゃねえ。」

「え…。」



堪らず目を開ければ、なにかを決意したようなそんな吹っ切れた表情をしていた。



「挑戦状。おばさんに出すよ。」

「……やだ!」

「どうして。」

「だって…っ。」



だって、貴方からの挑戦状は全部、私宛てがいいなんてわがままかしら…。



「Aの隣にいるべきなのは誰なのか、あの人に分からせないといけねえ。」



快斗の言いたいことは分かる。だけど、どうしても頭がついていかない。

それでも、私達だけの繋がりを残してたい。



「嬉しかったぜ。俺の隣で生きるって言ってくれて。」

「快斗ぉ…。」

「俺もお前と生きたい。その為に、俺は龍崎の家から宝を盗む。龍崎Aっていう可愛くて綺麗な俺の宝をな。

それが、おばさんへの挑戦状だ。」



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橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 19時) (レス) @page16 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです。頑張ってください! (2019年5月6日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ豆 - んんんんん!続編よっしゃぁぁぁぁ! (2019年5月1日 3時) (レス) id: 234ae7fda5 (このIDを非表示/違反報告)
魔理沙 - 続編ありがとうございます! 続きも気になります 更新無理のない範囲で頑張ってくださいね! (2019年5月1日 2時) (レス) id: 28703d16e4 (このIDを非表示/違反報告)
まりね - やったあああ続編!!! (2019年4月25日 23時) (レス) id: 392a87bd96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2019年4月20日 18時

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