【55】 ページ5
.
建物の隙間に降り立ち、ゆっくりと下ろしてくれた。
向き合い、相手の顔を見れば目をそらす。言葉が出てこなくて沈黙が続く。
「ごめんなさい…。」
「……おめぇが謝る事ねえだろ。」
咄嗟に出た言葉が謝罪。
それに対して謝る必要はないと言ってくれるのだけど、やっぱり私より彼の方が辛いはずだ。
「快斗…。私を、奪って。」
「……。」
悲しみを孕んだ目で私を見る。
スルリと頬に滑る彼の手のひらが、顎へと移動し、グッと上へと持ち上げられた。
ゆっくりと彼の顔が近づき、そっと目を閉じた。
「今回、送るのはおめぇにじゃねえ。」
「え…。」
堪らず目を開ければ、なにかを決意したようなそんな吹っ切れた表情をしていた。
「挑戦状。おばさんに出すよ。」
「……やだ!」
「どうして。」
「だって…っ。」
だって、貴方からの挑戦状は全部、私宛てがいいなんてわがままかしら…。
「Aの隣にいるべきなのは誰なのか、あの人に分からせないといけねえ。」
快斗の言いたいことは分かる。だけど、どうしても頭がついていかない。
それでも、私達だけの繋がりを残してたい。
「嬉しかったぜ。俺の隣で生きるって言ってくれて。」
「快斗ぉ…。」
「俺もお前と生きたい。その為に、俺は龍崎の家から宝を盗む。龍崎Aっていう可愛くて綺麗な俺の宝をな。
それが、おばさんへの挑戦状だ。」
.
923人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 19時) (レス) @page16 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです。頑張ってください! (2019年5月6日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ豆 - んんんんん!続編よっしゃぁぁぁぁ! (2019年5月1日 3時) (レス) id: 234ae7fda5 (このIDを非表示/違反報告)
魔理沙 - 続編ありがとうございます! 続きも気になります 更新無理のない範囲で頑張ってくださいね! (2019年5月1日 2時) (レス) id: 28703d16e4 (このIDを非表示/違反報告)
まりね - やったあああ続編!!! (2019年4月25日 23時) (レス) id: 392a87bd96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2019年4月20日 18時