【アイナナ】ハッピーホーム。 6th

【257】 ページ11

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百


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楽の腕にベッタリと抱きついたまま寝息を立てる奥さん。少しばかり楽じゃなくてオレにしてって気持ちがあるけど、Aも寂しかったんだよねと楽に続いてオレもAの頭を撫でた。

その時、ゆっくりと小さく弧を描いたAの口元。気持ち良かったのか、それともいい夢でも見てるのか分からないけど、この笑顔を見たらああ、好きだなって。



「Aちゃんは凄いなあ。楽にも百さんにも愛されて。……皆、大好きだよねAちゃんのこと。」

「ま、俺の妹だからな。」

「オレの奥さんだからね。」



きっとAにとってオレは恋愛対象に入る男の中では一番何だろう。でも、世界中の男だったらオレは楽には勝てないんじゃないかな。

悔しいけど、この兄妹は見てて和むし笑ってて欲しいって思う。



「に…ちゃ……。」

「A、寝言？」

「睡眠が浅いんですね。起こしましょう。」

「いいのかなあ、こんなにぐっすり寝てるのに。」

「まだ浅い内に起こす方がいいでしょ。ボク達も帰らないといけないんだから。」

「ちょっと待って！また何か言いそう。」



オレがシーッと皆を静かにさせてAの言葉に耳を澄ませる。



「楽、にいちゃ……。」

「確か昔、楽兄ちゃんって呼ばれてたっけな。」



懐かしそうな顔をする楽。

そんな楽とは対照的に表情が暗くなるA。



「も、どこにも行か、ない、で……。」



その言葉がここにいるオレ達に再び火を点けた。



「絶対に成功させてみせます。」

「頼もしいよ、楽くん。」

「Re:valeさんのバックで踊るのか……。」

「勉強させてもらいます。」

「うん。オレも頑張んないとね！」



これは宣戦布告だよ、了さん。



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