【アイナナ】ハッピーホーム。 6th

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家に戻れば、閉店してる時間だと言うのに何やら楽しそうな会話が聞こえてきた。その光景に目を見張った。

何故かここに百さんがいて、お母さんと一緒に笑っている。



「百さん！？どうして、ここに！？」

「あ、お帰り〜。」



凄く呑気だな、この人。



「じゃあ、本人も戻ってきたところなのでお義母さん。Aさんの全部をオレにください。」

「な、何の話ですか！？」



腰を折って、お母さんに頭を下げる百さんは何も言ってくれなくて、お母さんもまた、何も言わない。



「私が大事に育ててきた娘です。」

「分かってます。」

「……百くん、頭を上げて。」

「出来ません！お義母さんの了承が貰えるまでは！……オレは、Aさんが好きです！愛してます！お義母さんとAさんの一緒にいる時間、オレに譲ってください！！」



ああ、百さんは私の為に頭を下げてくれてる。



「お母さん、私からもお願いします！私、百さんと一緒に居たい！！百さんと、もっと幸せになりたいっ。」



百さんの隣で私も頭を下げた。

隣の百さんに目を向けると百さんも私に目を向けていたようで、目が合えば笑顔を向けられた。



「似た者同士ね。」



小さな笑い声が聞こえて、顔だけ前を向けば口元に手を当てて笑っている母。



「A、百くんに飽きられないようにね。どうしたって振られるのはあんたなんだから。」

「はい……。」

「そんな！オレの方が毎日不安で……！絶対、Aの好きより、オレの好きの方が大きいし、すぐヤキモチ妬くし独占欲強いし……。うぅっ、なんかすみません……っ。」

「……ふふっ。こんなにいい男、そうそういないんだから大切にね。」

「うん！」



お母さんに元気よく返事をしていれば、百さんは染めた頬に手を当ててやだ、いい男だなんてと"いい男"という言葉に浸っていた。

ほんと、台無し。



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