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私が引いたトランプを見事に当てた彼は私の手に先程のトランプを握らせた。
「それはお譲りします。」
「え……?」
「知っていますか?3という数字の意味を。」
「……。」
「安定性がある数字なんですよ。椅子もテーブルも四脚ですが、本当は三脚の方が安定性は高いんです。安定と言えば無難、定番です。」
彼の周りから煙がたちこみ、怪盗キッドに扮した姿で私の前でひざまずき、いつものように手の甲へとキスを落とした。
「怪盗が奪うのはお姫様の心。定番で、理想的な数字だとは思いませんか?」
「キッド……、私は、」
「そして、今夜の貴方はとても綺麗だ。」
「っ……。」
ザワザワと騒がしくなる会場。
それもそのはず。予告状なんて受け取ってないし、そもそもここに宝石なんて高価なものは何もない。なのに現れた。
「A、そのこそ泥から離れなさい。」
「おばさま!でも、」
「おっと、お美しい顔が台無しですよ?奥様。」
「あ、あら。」
ぽんっ、と薔薇をおばさまに渡してキザな言葉を投げ掛ければ一撃。おばさまもやはり女性なのね。
「では、お嬢さんはいただいて参ります。」
「え?」
急な浮遊感。
私はキッドに横抱きにして抱えられ、視界は煙幕で覆われた。上下に揺れる振動と、彼の鼓動が合わさってなんだかドキドキが収まらなかった。
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汎用うさぎ(プロフ) - 祟璃さん» 成る程…。参考にさせて頂きます!アドバイスありがとうございました! (2019年4月13日 21時) (レス) id: 8e53fc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
祟璃(プロフ) - いつお話が変わったんだろう...ということが所々ありました。場面の展開をもう少し細かくされればいいと思います...。 (2019年4月13日 20時) (レス) id: 53235c3c55 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56039号(プロフ) - とっても面白いです!!この作品は完結まで持って行ってください!!お願いします(>人<;) (2018年10月1日 23時) (レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2018年9月29日 8時