キッドに挑戦状を叩きつけられた

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「とてもお美しい。その見た目で18。まだまだこれからですね。」

「え、ええ……。ありがとうございます。」

「お時間があれば是非、私とデートをしていただけませんか？」

「考えさせていただきます。」



20と少しってとこくらいかしら。25まではいってなさそうだけれど、人は見た目じゃないし。



「今度、夜景の見えるレストランでお食事でもいかがですか？」

「検討させていただきます。」

「前向きにお願いしますね。」

「は、はあ……。」



この人は30前後ってくらいかしら。

落ち着いた大人の雰囲気を醸し出している。



「…………。」

「あの、」

「何。」

「お話、しませんか？」

「興味無い。」



私と変わらない年齢だろうか。

親に言われて仕方なく来たって感じね。気持ちは分かるけど。



「ドレス、とてもお似合いですね。貴方の為に生まれたかのようだ。」

「ど、どうも……。」



20後半くらい。

恋愛に器用なタイプ。第一印象は苦手。


さて、おばさまがもう一人いると言っていたけれどその方はおみえになっているのかしら。



「お待たせして申し訳ありません。」

「いいえ、とんでもありません。」

「お詫びにマジックをお見せしてもよろしいですか。」

「はい、是非。」



そう言って、次々とマジックを成功させて周りの人たちからの喝采も上がる。そして定番のトランプ。

私が引いた数字を彼が当てるというごくシンプルなマジック。引いた数字はハートの3。

ここでふと、キッドを思い出した。


まだ、3のトランプを貰ってなかったわね。

引き出しの中にいれてあるトランプ二枚だけじゃ寂しい気がするのはきっと気のせいだ。



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